子育てママにとって我が子はかわいくて仕方がない存在であることが多いかもしれませんが、
「子どもがかわいいと思えない」と深刻に悩んでいる方も一定数いるように思います。
うまれたときからかわいく思えなかったという方もいるかもしれませんし、
上の子が下の子ほどかわいくない、とか、小さい時はかわいかったのに、大きくなるにつれかわいくなくなってくる、という場合もあるかもしれません。
なぜ、かわいく思えないのか、を探っていくとともに、悩みに対する対処法を提案していきたいと思います。
子どもをかわいいと思えるのはなぜ
まずはなぜ、多くの人にとって子どもはかわいいと感じるのか、みていきたいと思います。
ここでは、子どもがかわいいと感じる要因二つ~ベビースキーマとオキシトシン~についてご紹介しましょう。
① ベビースキーマ
ノーベル賞を受賞したオーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツによると、人はベビースキーマの特徴をもつものに接したときに、「かわいい」という気持ちを感じて、本能的に守りたくなるそうです。
ベビースキーマの特徴
1. 体に比べて大きな頭
2. 大きく、前に出っぱったおでこ
3. 顔の中央よりやや下に大きな目がある
4. 短くて太い手足
5. 丸っこい体
6. やわらかい肌
赤ちゃんや幼い子どもの特徴そのものだと思いませんか。
この本能は人間だけでなく動物(哺乳類)にも当てはまり、子犬や子猫などの動物の赤ちゃんも、人間の赤ちゃんと同じように丸っこく、大きな目をしているのは、親の庇護責任を刺激し、自分の身を守るためでもあるとのことです。
② オキシトシン
オキシトシンとは、脳の視床下部という部分で作られて下垂体から分泌されるホルモンで、出産時に子宮筋を収縮させ分娩を促したり、授乳時に母乳を出しやすくします。
オキシトシンの別名は「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」、「愛情」を脳に感じさせる効果があると言われています。
このオキシトシンが分必されるとストレスが緩和され幸せな気分がもたらされ、接している相手への親近感を抱かせる作用があります。
親が子供を抱っこしたり、触れることで、親と子供双方からオキシトシンが分泌されることがわかっています。
そしてオキシトシンの働きにより、今目の前で触れ合っているわが子を可愛い、愛おしい、大切な存在だ、と感じる気持ちが繰り返し体験され、母子関係が育っていきます。
子どもをかわいいと思えないのはなぜか
ベビースキーマとオキシトシンという観点からも、子どもがかわいいと思えるのは、本来人間に備わっている機能によるものであるように思います。
ではなぜかわいいと思えない、という状態が起こり得るのでしょうか。
① 肉体的な要素
ベビースキーマとオキシトシンの観点から、子どもがかわいいと思えない理由を探っていきましょう。
ベビースキーマを持つものをかわいいと感じるのが人間のDNAに組み込まれた本能だとしたら、当然、個人差はあると思われます。
子猫や子犬、赤ちゃんをかわいいと思えないひとも一定数存在するでしょう。
またもともと遺伝子レベルでオキシトシンの分泌が少ない人、また分泌はあってもオキシトシンを受け取る受容体が少ない人もいます。
母親は必ず子どもがかわいいと感じるもの、ではなく、人によっては子どもがかわいいと思えないのが普通、というケースがあって当然と言えるかもしれません。
またオキシトシンはホルモンバランスの乱れやストレスの増加など外的要因でも不足する場合もあります。
② 心理的な要素
人は、自分の中に嫌な想いを生じさせるものに対し、かわいくない、と感じる傾向があるように思います。
例えば、子どもがいつも不機嫌そうな顔をしていたとします。
その顔を見て、怒りの感情が湧いてきたりで、嫌な気持ちになったりすると、子どもがかわいくない、と感じるのではないでしょうか。
不機嫌そうな顔を見ても、何もネガティブなものを感じない人は、不機嫌そうな顔もかわいい、と感じるのかもしれません。
他にも、生意気なことを言う、反抗的、わがまま、自己主張がすごい、あー言えばこう言う、などの子どもの態度や言動によって、ネガティブな想いを抱き、そんなネガティブな想いをさせる子どもがかわいくなく思える、という構造になっていそうです。
また、上の子が下の子よりもかわいく思えない、と言うケースは、下の子は二人目の子育てである程度勝手がわかっている分リラックスできるのに対し、上の子はまだまだ初めてのことが多く、不安や心配などネガティブな想いがでてきやすい、という理由もあるかもしれません。
かわいいと思えないで悩む人へのワーク
かわいいと思えない、ということも受け入れて、普通に子育てすることはできます。
職場にかわいいと思えない人がいても、支障なく一緒に働くことができる、と同じことです。
でもかわいいと思えなくて悩む、というほどになると、日々の生活の質はは確実に落ちていきそうです。
かわいいと思えないことの悩みを少しでも軽くするためにはどうしていったらよいでしょうか。
ここでは二つのワークを紹介したいと思います。
① 理想の母親像を手放すワーク
子どもを無条件にかわいがるのが母親というものだ、という考えから、かわいいと思えない自分はダメだ、となるケースがあります。
特に下の子に比べて上の子はかわいいと思えない、というように、子どもが数人いて、かわいいと感じる想いに濃淡が生じる場合も、母親は子どもを平等にかわいいと思わなくてはならない、という考えから、自分を責めるということもあると思います。
また自分を理想の母親でいさせてくれない子どもに対し、更にネガティブな想いが増し、ますますかわいく思えない、という悪循環に陥ることもありそうです。
そういう方には、以下の記事の中の理想の母親像を手放す5ステップをされることをおススメします。
[blogcard url=”https://www.ichigojyutsu.com/parent-child-relationship/rirounohahaoya/”]
② 子どもといることで感じる嫌な想いを見つめるワーク
子どもがかわいくないと思う裏には、子どもによって刺激されて出てくる嫌な想いを見たくない、という心理が隠れています。
子どもが刺激するのは、もともとこころにあった「こころの傷」で、「こころの傷」が刺激されることにより、嫌な想いが出てきます。
子どもは「こころの傷」の中でも特にインナーチャイルド(幼少期~成人するまでについた心の傷)を刺激してきます。
どんな嫌な想いが出てくるか見つめることで、こころの傷~インナーチャイルド~を癒していきましょう。
・想いを書き出す
どんなときに特に子どもをかわいいと思えないでしょうか。
子どものどんなところを特にかわいいと思えないでしょうか。
こんな風に書き出してみてください。
・べたべたと甘えてくるとき
・わがままを言うとき
・言うことをきかないとき
・ぼーっとしているとき
・びくびくこちらの顔色をうかがっているとき
などなど
・子どもの頃の自分をイメージして感じる
書き出してみたことを、子どもだった自分がしているところをイメージしてみてください。
どんな想いや感情がでてくるでしょうか。
・わがままを言っては叱られていた。親を困らせる自分が嫌だった。
・甘えることができなくて、我慢していた。寂しかった。
・ぼーっとしているとよく注意されていて、居心地が悪かった。
でてくる想いや感情を否定せずに、静かに寄り添うイメージで感じてあげましょう。
自分の親に対してネガティブな想いや感情が出てくるかもしれません。
それも頭で否定せず、そのとき自分が感じていたことを、そのまま認めてあげましょう。
軽いインナーチャイルドであれば、それだけで癒されてくるでしょう。
うまくインナーチャイルドが癒されると、そこに関連して出てきていた「かわいくない」という思いがなくなったり、軽くなってきます。
あせらず、コツコツとやっていきましょう。
ワークをやっても少しの変化もない、ワークをやっても何も出てこない、という方は、深いインナーチャイルドが潜んでいる可能性があります。
そういう場合は、専門家のサポートを受けてみることをおススメします。
まとめ
子どもがかわいいと思えない、、、一見「母親失格だ」と捉えられるようなことからも、自分を癒していくことができます。
自分を癒していくと、子どもとの関係だけでなく、夫や親、友達や同僚など、色々な人間関係も、複雑なものからスッキリしたものへ、変化していきます。
そういう変化のプロセスを経験していくうちに、人は自分の鏡、ということをより実感してくるかもしれません。
そう、子どもがかわいいと思えない、は、自分をかわいいと思えない、の鏡だったりするのです。
鏡をうまく利用して、自分らしい幸せな子育てに向かっていきましょう。
また、子どもとの相性が悪いと、子どもがかわいいと思えなくなる場合もあります。
そんな方はこちらの記事を参考にされてくださいね。
[blogcard url=”https://www.yagamieiko.com/mind-emotion/kodomotoaishougawarui/”]