「どうしても許せない人」を許すことは必要か?

あなたの人生には、どうしても許せない人っていますか?

あなたがその人を許せない理由は、どんなものでしょう?

 

誰かを許せないと思うのは

その人に自分の大事にしているものを奪われた

そんな風に感じているときかもしれません。

 

あなたが奪われたもの

それはあなたの「尊厳」とも言えるもの

 

自分の尊厳を奪われるような出来事に、あなたは深く傷つき

「加害者」である相手を絶対に許したくない

そう思っているかもしれません。

 

では

「許せない」と思っている相手を許す必要は

果たしてあるのでしょうか?

 

結論から言うと、許すことも許さないことも

あなたの自由です。

 

許すことは、相手と(心の中で)和解することではありません。

相手とは関係なく

あなたがあなたの心の中で出来事の捉え方を変化させることです。

 

相手を許せない、と思っているとき

もしその思いを手放してしまったら

 

仕返しができない

自分を苦しめた相手に罰を与えることができない

相手に自分の苦しみをわからせることができない

 

つまり、相手を無罪放免にしてしまう

もしかしたら、そんな風に感じているかもしれません。

 

でも実際には

あなたが相手を許しても許さなくても

残念ながら相手には何の影響もないのです。

 

許すことは、自分の感情の混乱を終わらせること。

シンプルにそれだけのことなのです。

 

許すことも許さないこともあなたの自由。

 

ただ

許すことで人生で思ってもいないものが手に入り

許さないでいることで、気がつかないうちに

あなたが失っているものは大きい

というのは確かなようです。

 

少し詳しく見ていきましょう。

 

1.相手を許すことで得られる、人生に重要な4つのもの

相手を許すことで得られる、人生に重要な4つのもの

私自身も、どうしても許せないと

何十年も強く感じている相手がいました。

 

その思いを持っていること自体が苦しくなり

手放したいと様々な取り組みを始め

本当に気持ちが楽になるまで

なんと10年以上の歳月がかかってしまいました。

(もちろん投資金額も相当のもの・・苦笑)

 

そして今、その人のことをどう思っているか?

「私はあなたを許します」とは

もはや全く思っていません。

 

私の人生にとっては

「どうでもいいこと」

と言うのがぴったりな感じです。

 

あんなに苦しかったのが自分でも信じられないくらい

その人のことを考えても「何もない」のです。

 

許すことで得られるものの筆頭に挙げられるのは

「自由な心」

だと思います。

 

心の中で重たくてビクともしない岩のように存在していたものが

空気のように存在感のないものに変化したことで

心は軽く、平和で穏やかな状態です。

 

この状態になると、何かに縛られることなく自由に人生の選択ができ

自分を本当に幸せにすることができます。

 

自分を本当に幸せにすることができます

得られるものの二つ目は、「健康」です。

 

「許さない」と言う思いが作り出す体への悪影響は

次の項にも述べますが、

 

許せない相手を「許す」ことができたら

より生命力が強い状態

つまり、体が根本的に健康な方向に向かいます。

 

その理由となるのが、三つ目の「セルフイメージ」

そして四つ目の「魂の成長」です。

 

得られるものの三つ目は、「セルフイメージが格段に上がる」です。

 

人として間違ったことをした相手をもし許せたとしたら

あなたのセルフイメージは良い方向に大きく変わります。

 

誰しも完璧ではありません。

誰しも過ちをおかすものです。

 

人の過ちをいつまでも責め続ける人と

過ちを寛大に許して、その人の幸せを願える人がいたとしたら

あなたはどちらを人間として尊敬できるでしょうか?

 

あんな酷いことをした人でも

自分は許すことができた

その自信と自分に対する信頼は、あなたの幸せな未来につながっていきます。

 

最後は「魂の成長」です。

スピリチュアルな見方をすると

「許し」は魂レベルでの「宿題」でもあります。

宿題に向き合うか向き合わないかは

もちろん自由ですが

 

もしこの少々大変な宿題をクリアできたら

魂レベルでの成長は大きく進みます。

 

相手を「許す」ことは

過去を手放し解決すること以上に

未来をも変化させることでもあるのです。

 

2.相手を許さないことであなたが失っているもの

相手を許さないことであなたが失っているもの

 

許さないという思いを持つことのデメリットとして

まずは、体への悪影響が挙げられるでしょう。

 

あなたが強い怒りや恨みを感じているとき

体はどんな状態でしょうか?

 

きっとリラックスとは真逆の

緊張状態にあると思います。

 

たとえ負の感情を普段は感じないようにして

心の深いところにしまいこんでいる場合でも

フタをされた強い感情は、心の中にできた腫瘍のように

体を蝕む影響を出し続けます。

 

抑圧されたまま固着してしまった感情は

体の中を良い生命エネルギーが循環することを妨げ

健康な状態を維持するのを阻害します。

 

「許さない」と言う思いを持ち続けることは

結局は自分自身を傷つけていることなのです。

 

また、他の視点で見ると

相手を心の中で裁き続けるということは

あなたを傷つけたその相手に

自分のエネルギーを奪われ続けていることとも言えます。

 

(現実レベルでは相手は無関係なのですが

エネルギーをその人に対して使い続けているという意味において、

あなたにとってはそういうことになるのです)

 

許さない、という選択は

相手に執着し続けるということ

相手に期待をし続けるということ

 

つまり自分の貴重なエネルギーを

許せない相手のために使い

自分自身を苦しめるだけなのです。

 

そして、たとえ自覚していなくても

尊厳を奪われた「被害者」としての立場に自分自身を縛り付け

被害者になった自分もまた

心のどこかで責め続けてしまいます。

 

「許せない」思いで苦しみを抱え続けるのは

酷いことをした相手ではなく

あなた自身なのです。

 

3.「許す、許さない」から自分を解放する方法

『相手を許さないという思いに縛られて

自分自身を傷つけたり苦しめるのはもうやめよう』

 

そう思えるタイミングがきたときに

試してみる価値のある、いくつかのことを紹介しておきます。

 

許すこと

 

許すことは

相手の行為を受け入れようとすることでも

肯定することでもありません。

 

相手の行為や出来事に対する自分の見方を変えて

長くあなたを縛っているエネルギーから自分を解放することです。

 

・相手と同じ土俵に立って戦うことをやめる

自分を傷つけた相手を、哀れな人、未熟な人と見て

幼いこどものやっていること、というような見方がもしできるのであれば

未熟さゆえの過ちと、寛大な気持ちに少し近づくことができるでしょう。

 

・相手の行動の背景にある「苦しみ」に目を向ける

もし相手が愛する人や大切な人だった場合、「哀れな人」「未熟な人」という見方は難しい場合もあるかもしれません。

その場合には、相手の行動の背景にある苦しみや痛みを想像し共感する、という方法もあります。

 

完全な悪人というのはいません。

誰もが痛みを抱えており、それが決断を左右しています。

分別のなさ、無神経、利己的な決断を大めに見ろと言っているのではありません。

しかし、そう考えると相手のことを理解しやすくなります。

出典 「許すための6つのプロセス」ライフハッカー

 

許すのは、自分のためであり相手のためではありません。

ただ

相手の痛みに少しでも共感できるとしたら

よりスムースにあなた自身の許しのプロセスを進めることができるはずです。

 

・「許せない」思いの周辺にあるすべての感情を認めて、感じる

多くの人は、ネガティブな感情を感じることは避けがちです。

本当の感情を否定して受け入れないことにしていることが

「許せない」という思いを作り出しています。

 

押し込めてしまった悲しみ、怒り、絶望などの

ネガティブな感情に向き合うことは

出来事から受けたショックが大きければ大きいほど

難しいものです。

 

辛い感情にフタをして

感じないようにしていればしているほど、

外からのちょっとした刺激によって、強い感情が突然顔を出すようなことを

あなたもきっと経験していることでしょう。

 

あなたが感じるのを避けているのは

どんな感情ですか?

 

感情はちゃんと向き合い感じきれ流ことができれば

やがてゆるみ穏やかなものに変わります。

逆に言うと

感情は向き合うことでしか、本当には癒すことはできません。

 

怖れを超えて向き合って感じつくし、感情が緩んだとき、

初めて相手を許す準備が整います。

 

許せない出来事にまつわる自分の感情をちゃんと見ることは

最も重要なプロセスです。

たとえ時間がかかっても、少しずつでも、

やってみることオススメします。

 

過去の感情を癒す方法については、こちらの記事も参考にしてください。

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・傷ついた出来事から受け取ったもの(ギフト)に気づく

(このプロセスに進む前に、ある程度感情を感じ尽くすことができていると

よりスムースです)

 

傷ついた出来事から受け取ったもの(ギフト)に気づく

 

どれだけ酷い思いをした体験だったとしても

そのことによって、人生において得られたものが

必ずあるものです。

 

一般的なものでいうと

傷ついた経験がある人は、人に優しくできる

同じ体験をした人の痛みがわかる、などがそうです。

 

あの体験があったから、今の自分がある。

 

もしそう思えるようになったとしたら、

「許し」のプロセスも自然と完了に向かいます。

 

傷ついた出来事に隠された「ポジティブな側面を見る」ことは

慣れていないと容易ではないため

最初は無理くりひねり出す感じになるかもしれませんが

 

もしその出来事に内包された「ギフト」を掘り起こし

光を当てることができたら

「許せない」という思いに長い間せき止められていた生命エネルギーが

一気に体の中を流れ始めるような

インパクトの大きな体験となるでしょう。

 

4.「許すこと」がどうしても難しいと感じるときは

「許すこと」がどうしても難しいと感じるときは

得るもの、失うものがわかったとしても

それでも許すことが難しい

 

そんな時は、シンプルに

許せない自分を許しましょう。

 

「今は許さなくていい」

と、自分に宣言しましょう。

 

相手を許すことができない自分を責めることも

何をやっても気持ちが変化しないことに焦ることも

むしろ逆効果です。

 

「許す、許さない」という課題から一旦離れて

自分を幸せにしてくれる身近なものに心を向けましょう。

 

小さなことからで大丈夫です。

 

無駄と思えるようなことでも好きなことを素直にやってみる

気持ちを上げてくれる大好きなものに囲まれる

誰かに会いに行ったり

やってみたいと思っていたことにチャレンジする

そうやって自分を幸せにしてくれるものに注力します。

 

自分がしっかり満たされて、幸せを感じられることが多くなると

自然と人を許す気持ちの余裕が生まれるのです。

 

焦らず、その時が訪れるのを待ちましょう。

 

終わりに

自分を縛り続けているものから、解放すること

許すというのは

心の中にある自分の負の感情の存在を認めて許すことなのかもしれません。

ネガティブな感情でいっぱいの自分を認めて受け容れ

自分を縛り続けているものから、解放することです。

 

自分の尊厳を奪われたような体験をしたとき

傷つけた相手を許せない、と感じるのと同時に

 

「自分は大事にされる価値のない存在なんだ」

「自分は愛されない存在なんだ」

という思いが自分の中に深く根を張ってしまいます。

 

たとえ相手を「一生許さない」選択をしたとしても

奪われた尊厳が戻ってくることはありません。

 

逆に自分を傷つけた相手を許す、という難しいプロセスにチャレンジできたとき

「自分は愛される、価値ある存在である」という尊厳を

自分自身で、自分の手に取り戻すことが可能となるのです。

 

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この記事を書いた人

石垣島在住。
感受性が強く生きづらさを感じるエンパス/HSP専門カウンセラー。
電話でのインナーチャイルドヒーリング&カウンセリングのほか、エンパスさんのQOL(人生の幸福度)向上をサポートするさまざまな活動をしています。

\エンパスさんのためのお役立ち情報発信中/
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