「免疫力アップ」のカギは「ストレス解消」にありーストレスと免疫力の関係

 

新型コロナウイルス感染症で注目が集まってきている免疫力ですが、

そもそも免疫力とは何でしょうか。

 

免疫力とは、ウイルスやガン細胞などの外敵から身を守り、

私たちの体を健康な状態に保つために

もともと体に備わっている力のことを言います。

 

もともと備わっているものであれば、免疫力を上げなくてもいいのでは?

と思われるかもしれませんが、

残念ながら私たちの日常には免疫力を下げる原因がたくさん潜んでいます。

 

その最たるものがストレスです。

 

皆さんの中にも仕事や試験などで忙しかったり、

しっかりと眠れないという日が続いたりした時や、

ずっと悩み事に心が奪われていたりした時に

風邪をひいたという経験をした人もいるのではないでしょうか。

 

今までの数々の研究からも

ストレスがあると風邪などの感染症にかかりやすくなる

ことが分かっています。

 

それだけでなく、

ストレスによって、関節リウマチやバセドウ病などの自己免疫疾患が悪化したり、

アレルギー疾患が発症したりする

という報告もあります。

 

これらの報告からも

ストレスが免疫力と密接に関わっている

ということが分かるでしょう。

 

この記事の目次

今、ストレス対応が必要な理由―深刻化するストレス社会―

 

現代はストレス社会と言われています。

この問題は、新型コロナウイルス感染症が問題となる以前から指摘されていました。

あるアンケート調査によると、

2019年時点で7割弱もの人がストレスを感じており、

特に女の人では深刻でした。

10~30代の女性ではそれぞれ8割にも上っていたそうです。

 

そして、ストレス社会に追い打ちをかけたのが

今回の新型コロナウイルス感染症です。

 

新型コロナウイルスによる自粛生活におけるストレスについて、

行った調査によると

「今の自粛生活によりストレスを感じている」

と回答した人は約6割近くもいました。

 

このことからも新型コロナウイルス感染症が

ストレス社会に追い打ちをかけたということが分かります。

 

この結果を職業別に見ると、

最もストレスを感じていたのが

「専業主婦/主夫」で、72%にも上っていました。

 

このアンケート結果が現実問題の実情を反映していることが、

コロナ離婚、児童虐待やDVなど家庭内の問題が

増えてきていることからも分かるでしょう。

 

このことから考えてもストレスへの対処が急務であることには間違いありません。

当初と比べ、この環境に慣れつつあることで、

ストレスが緩和されてきたように感じるかもしれません。

 

しかし、この騒動がもたらした経済不安や

今なお完全な解決策が見いだせていないコロナの状況を考えますと

現在もストレスとなる状況にいることは

想像に難くないでしょう。

 

withコロナ時代を乗り切るために重要となる免疫力ですが、

今は普通に生活しているだけで

その免疫力の大敵となるストレスに常にさらされている

ということになります。

 

深刻な病気の要因ともなる「ストレス」

ストレスがあると免疫力が低下するということは、

かなり以前から知られています。

 

1962年には既に、

心理的社会的問題があると風邪にかかりやすいということや

生活での慢性的なストレスがあると咽頭炎や皮膚感染症にかかりやすくなる

ということが報告されています。

 

最近になって、ストレスはこのような軽い病気だけではなく、

深刻な病気を引き起こし得るということが分かってきました。

 

2014年にイギリスのバーミンガム大学の研究チームが

配偶者を亡くした高齢者は深刻な病気にかかりやすい

ということを報告しました。

 

その論文の執筆者であるアンナ・フィリップス博士は

イギリスのメディアに

「配偶者の死後、1年以内に亡くなる人が本当に多くなっています。

悲しみを含めた強いストレスで免疫機能が狂ってしまったために、

病気を引き寄せたと考えられるでしょう。」

と説明しています。

 

実際に深刻な病気にかかっている人の性格特性からも

ストレスが深刻な病気の引き金になっている

ことが分かっています。

例えば、肺ガンにかかっている人は、

感情を発散する能力が低い傾向がありました。

 

ストレスによる自律神経の乱れが免疫力低下を引き起こす

 

ストレスは免疫細胞に直接影響を与えるだけでなく、

自律神経にも作用します。

 

ストレスによって自律神経が乱れ、

結果として免疫機能が低下する

ということが起こってくるのです。

 

自律神経は、

血管や心臓、腸管など全身にいきわたっていて、

自動的に体内の環境を整えています。

 

その働きは、

呼吸や血液の循環、体温の調節、消化、排せつ、生殖など

多岐にわたっています。

 

交感神経と副交感神経

自律神経は交感神経と副交感神経の二つに分けられます。

そして、それらは相反する働きをしています。

 

日中など活動しているときの担当は、

主に「交感神経」です。

 

そして、夜になって、リラックスしたり、

睡眠など休息をとっていたりするときは

主に「副交感神経」が働いています。

 

交感神経が優位に働いているときは、

エネルギーを消費して、活発に臓器を動かします。

 

それに対し、副交感神経優位になると、

省エネモードに切り替わり、

心身を元気な状態に回復させるのです。

 

このように副交感神経優位になって休んでいるときも、

「怠けている」わけでなく、

体にとってはとても大事な時間になっています。

 

自律神経が乱れると

交感神経と副交感神経がバランスを取って働いている間は、

体も健全な状態を保っていられます。

 

しかし、いったんこのバランスが崩れると

体のだるさや便秘、下痢、

頭痛、肩こり、ほてり、動悸、しびれ、

イライラ、不眠、集中力の低下など

心身両面でいろいろな不調をきたすようになるのです。

 

ストレスが自律神経に与える影響

ストレスは交感神経と副交感神経のバランスを崩す要因になってきます。

 

例えば、「腹が立つ」「悲しい」「怖い」

というような精神面でのストレスを感じると、

交感神経が緊張し、

交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。

 

そうすると、気づかないうちに体にいろいろな変化が起こってくるのです。

 

それだけでなく、交感神経が緊張することで

免疫細胞の働きが弱くなったり、

死んだりしてしまいます。

 

つまり、何か精神的ストレスがあると、

自律神経を介して免疫系も弱ってしまうのです。

 

ストレスによるホルモンバランスの異常が免疫力低下を引き起こす

 

ストレスがあると

私たちの脳は緊急事態であると判断し、

それに備えます。

 

具体的には、全身の筋肉に血液と栄養を与え、

動きやすい状態を整えるために血糖値や血圧を上げます。

 

緊張して血圧が上がったとかドキドキした

ということが起こるのはそのためです。

 

実際に、血圧や血糖を上げる作用があるコルチゾール

というホルモンはストレスがあると増える

ことが分かっており、

ストレスホルモンとも呼ばれています。

 

このように緊急時には重要となるコルチゾールですが、

コルチゾールの値が高い状態が続くと

免疫力に影響が出てきます。

 

と言うのもコルチゾールには

免疫を抑える作用や炎症を抑える作用があるからです。

 

まとめ

ストレスと免疫力の関係についてまとめてみました。

まだまだストレスが多い状況が続いています。

ストレス解消をして、この状況を乗り切っていきましょう。

コロナストレスから心を守るためのセルフケア

 

 

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この記事を書いた人

研修医期間終了後、神経内科医として主に急性期病院にて13年間勤務。
3年間の回復期病棟での勤務を経て、平成24年より在宅医療に従事。2018年5月ヘテロクリニック開設。

多くの患者さんにかかわる中で、より健康であるためには、病気にだけフォーカスをあてるのでは不十分なのではないかと実感し、医療の分野以外にも学んでいる。

高齢になっても若々しく元気な方たちの特徴から、自分らしく生きることが重要性を感じ、そのためのツールとして脳と心についての情報をフェイスブックページやホームページを通じて発信している。

日本内科学会 内科認定医、日本神経学会 神経内科専門医、医学博士、認定産業医、日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー、感情カウンセラー協会認定 感情カウンセラー、リズ・ブルボーのからだの声を聞きなさいスクール カウンセラーコース終了、NLPプラクティショナー、著書に『クスリに頼らない免疫力向上計画』(みらいパブリッシング)、『脳の取扱説明書』(みらいパブリッシング)

HP:https://hetero-clinic.com/
HP:https://www.harmonista.org/
HP:https://harmonista.jp/

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