コロナストレスから心を守るためのセルフケア

現代はストレス社会と言われています。

新型コロナ感染症前の状況でさえ、7割近くの人がストレスを感じているというアンケート調査もあります。

マイボイスコム株式会社が2019年7月1日~5日に行った『ストレス』に関するインターネット調査(10,180件回答)によると、7割弱もの人がストレスを感じているとのことです。

特に女性の比率が高く、女性10~30代で、それぞれ8割もがストレスを感じているそうです。

そして、追い打ちをかけるような新型コロナウイルス感染症。

 

ブレインパッドは、「Brandwatch」を利用して行ったアンケート調査によると「今の自粛生活によりストレスを感じている」と回答した人(「ストレスを感じる」「非常に強いストレスを感じる」の合計)は59%と、約6割近くになりました。

新型コロナウイルス感染症によって、さらにストレスが増えたということが分かります。

 

しかも、職業別に見ると、「非常に強いストレスを感じる」「ストレスを感じる」と回答している人の割合が最も高いのは「専業主婦/主夫」(72%)で、2位「公務員」(69%)、3位「会社員」(58%)と続いていたそうです。

 

実際、コロナ離婚、児童虐待やDVの増加など、ストレスへの対処が急務であることが分かります。

 

この記事の目次

ストレスを溜め込まないために

そもそもストレスとは何でしょうか?

「なんらかの刺激が身体に加えられた結果、身体が示したゆがみや変調」のことをストレスといい、その原因になる刺激はストレッサーと呼ばれています。

同じ状況(ストレッサー)であっても人によって、それがストレスになるのかどうかは変わってきます。

特に、「完璧主義の人」や「いい人」は、ストレスを溜め込みやすいので要注意です。

 

完璧主義の人は、アウトプットがよく、周りからの評価も高いことが多いですが、頑張っているということは自分に負荷をかけて、無理をしているということでもあります。

参考)つい頑張りすぎてしまうあなたへ。-完璧主義を手放して楽になる4つの方法-

 

いっぽう、「いい人」は自分ではなく、他人を中心に生きています。

「自分がどうしたいのか」よりも「他人からどう思われるのか」が優先されてしまっているのです。自分自身がどうしたいのかは抑圧されてしまっています。

参考)知らないうちに着ている「いい人」の着ぐるみを脱いで楽に生きようーつい「いい人」になってしまう人にみられる6つの特徴―

 

とはいっても、すぐに性格を変えるというのは難しいと思います。

知らないうちにため込んだストレスをどうしていったらよいのでしょうか。

 

ストレスケアの第一歩はストレスに気づくこと

 

ストレスに対処するためには、自分がストレス状態にあることに気づくことが重要です。

 

しかし、自分が抱えているストレスに気づかないということはよくあることです。

というのも、最初はストレスに感じていたことも次第に慣れてきて、表面的にはストレスがなくなったように見えることがあります。

ところが、実際はストレスに負けないように、相当な無理をしてしまっている可能性があるのです。

 

次のような症状がある人は要注意。

メンタル面

❏ 心配で不安がだんだんと大きくなってくる

❏わけもなくイライラする

❏ 気持ちが落ち着かずどうしていいか分からない

❏ ニュースなどをみると落ち込んでしまう

❏ 常に、自分も感染するのではないかと不安になる

❏ 自宅で一人でいるのがとても怖い

❏ 仕事や趣味など集中して取り組むことができない

❏ 何もする気が起きない

 

身体面

❏ 休んでいるのに疲れが取れない

❏ 眠れない、もしくは途中で目が覚めて眠れなくなる

❏ 頭痛がひどい状態が続いている

❏ 食欲がなくなった

❏ 便秘や下痢を繰り返している

❏ お腹に痛みを感じる

❏ 肩こりや背中の痛みを強く感じる

❏ めまいや耳鳴りで悩まされている

 

ストレス解消法

メンタルに不調が出るタイプの人は、真面目な人が多いので、やる気がおきないことに罪悪感を抱いたり、焦ったりしてしまうことがあります。

そういったタイプの人は、十分な睡眠をとること、趣味やスポーツに没頭すること、悩みを紙に書き出だしてみることがお勧めです。

 

ストレスが胃の痛みや頭痛などの体調不良、肌荒れといった身体的な症状として現れる場合は、自律神経が乱れている可能性があります。

そういうタイプの人は、深呼吸をする、好きな音楽を聴く、ゆっくりとお風呂に入る、ウォーキングやストレッチをする、生活習慣の見直してみることをお勧めします。

 

身体的症状も、メンタルの症状も両方ある、あるいは、はっきりとした症状はないけれど、なんとなくストレスを感じているといった人もいるでしょう。

その場合は、気分転換と体のケアの両方を取り入れてみましょう。

 

睡眠

睡眠はストレス解消にとって重要です。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がありますが、ノンレム睡眠中に脳の老廃物が脳脊髄液によって洗い流されるということが分かっています。

必要な睡眠時間は人によっても睡眠の質によっても変わってきます。

翌日に疲れが残らないというのが理想です。

 

近年の夏は、暑い日が続いていますので、睡眠の質が低下している可能性があるので注意が必要です。

睡眠の質を上げるには、下記のことが重要になってきます。

・入浴は寝る90分前までに済ませる

・朝起きたら日光を浴びる

・寝る前にはスマホはみない

・夜間帯の照明は明るすぎないように気をつける

・寝室環境を整える

・寝具を整える

・眠る前にはカフェインを控える

・眠る前にはアルコールを控える

・寝だめをしない

・夕食は就寝の3時間前までに済ませる。

・眠るときには靴下を履かない

 

深呼吸

深呼吸は自律神経を整えるのに有効です。

現代社会は、スマホやPCをよく使うため、呼吸が浅くなってしまっている人が多いとされています。

それが更に新型コロナウイルス感染症対策としてマスクをつけることで、より呼吸が浅くなってしまっています。

今まで以上に定期的に深呼吸をすることが大切です。

 

深呼吸の具体的な方法は下記のとおりです。

① まずは身体の力を抜くように意識しましょう。

その状態のまま、おへその下あたり(下丹田)から長くゆっくりと息を吐きます。

慣れないうちは、下丹田に手を当てたほうがやりやすいかもしれません。

長くゆっくり息を吐くのが難しければ、口をすぼめるようにしてみるとよいでしょう。

時間をかけて息を吐きやすくなります。

お腹の空気をすべて吐き切るつもりでやりましょう。

 

② 息を吐き切って下腹部が限界まで凹んだら、

次は下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸っていきます。

できるだけ、自然に鼻から息を吸うようにしましょう。

 

③ めいっぱい息を吸ったら、今度は3秒ほど息を止めます。

その後、再び息を吐いていきます。

 

①~③を5分繰り返します。

できれば、呼吸に合わせて身体の緊張がほぐれ、リラックスしていくイメージを浮かべるようにするとより効果的です。

 

まとめ

最初はストレスと感じていたものも慣れてしまうとストレスと感じなくなって、知らないうちにため込んでしまうことがあります。

自分は大丈夫と思っている人は案外、要注意かもしれません。

 

そして、可能であればストレスから逃げるという選択肢を持つようにしましょう。

ストレスから逃げるという選択肢があると、同じストレスにさらされ続けたとしてもストレスが軽減されるといわれています。

 

不安定な状況が続いているので、しっかりとセルフケアしていきましょう。

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この記事を書いた人

研修医期間終了後、神経内科医として主に急性期病院にて13年間勤務。
3年間の回復期病棟での勤務を経て、平成24年より在宅医療に従事。2018年5月ヘテロクリニック開設。

多くの患者さんにかかわる中で、より健康であるためには、病気にだけフォーカスをあてるのでは不十分なのではないかと実感し、医療の分野以外にも学んでいる。

高齢になっても若々しく元気な方たちの特徴から、自分らしく生きることが重要性を感じ、そのためのツールとして脳と心についての情報をフェイスブックページやホームページを通じて発信している。

日本内科学会 内科認定医、日本神経学会 神経内科専門医、医学博士、認定産業医、日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー、感情カウンセラー協会認定 感情カウンセラー、リズ・ブルボーのからだの声を聞きなさいスクール カウンセラーコース終了、NLPプラクティショナー、著書に『クスリに頼らない免疫力向上計画』(みらいパブリッシング)、『脳の取扱説明書』(みらいパブリッシング)

HP:https://hetero-clinic.com/
HP:https://www.harmonista.org/
HP:https://harmonista.jp/

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