【中学受験は意味がない?】中高一貫校に入学した後、成績が下がってしまうのはなぜ?

中学受験は親子の共同作業で合格までを走りました。
合格してやれやれと思ったのも束の間、あれだけ頑張れた子どもが提出物もままならず、成績が下がってくることがあります。

中高一貫校に入学したメンズ、勉強意欲がなくなり成績が下降、本人任せにしておいたら高校3年生で偏差値は30台になったという例があります。
結果的には一浪して国立大学理系学部に合格しましたが、本人が悩んでいるのを見るのは、親としてはとても平気な顔をしていられるものではなかったでしょう。

今回のコラムでは、成績が低迷した時に考えられることを4つに絞ってみました。
実際にはこれらの原因が複合的になっている場合が多いかと思います。

この記事の目次

燃え尽き症候群に陥っている?

燃え尽き症候群に陥っている?

中高一貫校の受験は多くは将来の大学受験を視野に入れて、在学中にさらに学力を上げることを期待しています。
しかし、受験生の子どもは小学生で、親主導で受験勉強をしてきて将来のビジョンをしっかり持てているということはそうありません。
親も合格することにフォーカスし過ぎて、親子とも合格のために勉強することを続けていると合格後に燃え尽き症候群に陥ってしまうことがあります。

合格というゴールに駆け込み、倒れ込んで動けなくなるのです。
夢も目標もない状態ではもう頑張れません。
やる気、自信を失って成績が落ちていくことは想像に易いです。

一度、緊張の糸が切れて勉強をする意欲が失われると、新たな目標が見つかるまで持ち直すのはたやすいことではありません。

学校が嫌に?

学校が嫌に?

校風、学年カラー、クラスカラー、部活が合わない、友達、先輩後輩、教師との相性が悪い、授業が分からないなどから学校が嫌になることがあります。

事前にオープンスクールに参加したり、学校の研究して志望校を決定しても、実際に入学してみないとわからないことはあります。
本命でなく第二志望校だった場合、気持ちを切り替えるのはなかなかです。

学校が嫌になる理由はケースバイケースですが、次の2つが目につきました。

自信を失う

中高一貫校は高校2年生まででカリキュラムをほぼ終え、高校3年生は受験対策中心になる場合が多いので、中1から授業の進度が早く、授業レベルが高くなりがちです。
予習復習を通して学習内容を定着させることができなければ、その穴を埋めるのは難しくなります。

特に、中学受験にはなかったが大学受験に欠かせない英語は要注意です。
英語は大学受験において文系理系のどちらでも重要視される科目です。
入学後学び始めるのだから同級生とはスタートは同じはずなのですが、不思議と差が出てきます。

もうひとつ重要なのは数学です。
文系理系選択の判断基準が数学になるかと思います。
最近では、大学の文系学部も数学を受験科目に課しているところが増えているので落としたくない教科となります。
小学校までの算数と中学からの数学の違いは、前者が計算力を得る、後者が抽象度が増し、かつ、論理的な思考というように学ぶ本質が異なるので、算数の成績が良かった子どもが中学では成績が取れないことがあります。

この2教科に関わらず、子どもにとって重要な教科、得意だと思っていた教科、好きな教科でつまずくと、自分の価値が失われたように感じ連鎖的に自分はダメな奴、勉強できない奴という自分像ができてしまいます。

小学校でできた子どもも中高一貫では周りもできるのだから、自信もプライドも崩れてしまいます。

学校が合わない

合格したということは、学校の求める生徒像に合致した同じような性質の子どもたちが集まっているということです。
だからといって、校風に馴染めるかどうかは別で、すんなり馴染める子どももいれば、つらいと感じる子どももいます。
これも実際に入学して体験してみないとわからない部分があって、校風が合わないため退学し他校に変わることがあります。

コミュニケーション下手な子どもだと、校風だけでなく、教師やクラスでの人間関係、クラブ活動での人間関係などで悩み、学校へ行く気持ちが萎えてしまいます。
精神的な環境が合わないと、学校が面白くなくなります。
当然、やる気も失われ成績も下がる方向へ流れていきます。

思春期に起こる起立性調節障害?

思春期に起こる起立性調節障害?

子どもが生活リズムが乱れ、いつもダラダラして怠けているように見えるのなら起立性調節障害かもしれません。

中学生の約10%は起立性調節障害だといわれています。
これは、思春期に起きる自律神経機能不全で一般的にみられる症状として次のことがあげられています。
一般社団法人日本小児心身医学会 より抜粋

・立ちくらみ、朝起床困難、気分不良、失神や失神様症状、頭痛など。症状は午前中に強く午後には軽減する傾向があります。

・症状は立位や座位で増強し、臥位にて軽減します。

・夜になると元気になり、スマホやテレビを楽しむことができるようになります。しかし重症では臥位でも倦怠感が強く起き上がれないこともあります。

・夜に目がさえて寝られず、起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転生活になることもあります。

この状態だと勉強しようにもできないのです。
子どもだってダラダラしたくてしているのではありません。
精神論ではどうにもできない体の不調が原因で勉強に向かえないのです。

朝、起きづらいのを夜遅くまで起きているからだと責めてしまったり、立ったり座ったりしているとつらいので横になってゴロゴロしているのを怠けていると思ったり、勉強せずにスマホやテレビばかり見ていると早く勉強すればよいのにとイライラしたりすると、子どもは親から責められているように感じ精神的にも不安定になります。

発達障害?グレーゾーン?

発達障害?グレーゾーン?

子どもも勉強を人よりもずっとがんばっているのに成績が伴わない場合は、勉強方法が間違っているかもしれません。
子どもの脳の特性によっては勉強方法が合っていないことがあります。

発達障害もしくはグレーゾーンが背景にある場合があります。

発達障害の認知度は高まっているものの、わが子が…と思うとショックかもしれませんね。
成績が優秀な子どもの中には、この問題を気づかずに抱えていることが案外ある印象です。

能力が発揮できる環境を整えることができれば天才的なのですが、それができない環境だと本人は生きづらさを抱えがちです。
子どもは自分が発達障害と診断されて、自分のできない理由や自分の行動が周りから理解してもらえない理由が明らかになってほっとすることもあります。

この問題はとても繊細で、状況もケースバイケースなので、慎重に取り扱いところです。
まずは、発達障害のチェックリストで子どもの傾向性を観察してみるのが良いかと思います。

親ができる一番大切なこと

親ができる一番大切なこと

子どもを責めない、怒らない、愚痴らない。

成績が低迷してつらいのは子どもです。
誰にもつらさをわかってもらえないことです。
決して怠けているわけではないのに成績がついてこなくて自分を責めたり自信を失っているはずです。

中学受験を突破してきた子どもはいわゆる良くできる子どもです。
その子どもが成績が低迷するのは、人生で直面した初めての挫折かも。

それを親が責め、怒り、愚痴ればどうでしょうか。
ますます悪循環に陥ると思いませんか。

子どもは自分がなぜ成績不振に陥っているのか明解な答えを持ってはいません。
なぜかわからないけどできないのを悲しくもつらくも申し訳なくも思っています。
それを責めてしまうと答えが見つかるどころか、子どもが自己否定を強く抱いてしまいます。

親が心配のあまり、あれこれ解決方法を教えるのも自立という点で避けたいところです。

より大切な事は、子どもの状態を客観的に見て、子どもの気持ちを汲んであげること。
それが、親が最初にできる一番大切なことです。

まとめ

中高一貫校に合格した後に成績が低下する原因を4つ挙げました。
まずは、子どもの状況がどれに当てはまるか客観的に見て、子どもの心の痛みを汲み取ることを心掛けてください。
子どもを責めない、怒らない、愚痴らないは鉄則です。
対応を考えるのはそれからです。

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この記事を書いた人

心の傷専門家
感情カウンセリング
薬剤師

大学卒業後、製薬会社の学術部で社員教育と医療関係者への情報提供に携わり、その後、整形外科病院で薬剤師として勤務、退職。
現在は心の傷専門家として、ヒーリングやカウンセリングを提供しています。

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルド、過去生など心の傷に向き合うことで状況を克服。
今では笑顔を取り戻し、日々軽やかに過ごしている。

セッションでは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻していただけるように心掛けている。

アラフィフ女子が幸せに生きる方法 https://amenosoyokaze.com/

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