小さい頃からずっと母親は不平不満や愚痴を娘である自分に言ってくる。
なぜこの人はこんなに不平不満や愚痴ばかりなんだろう。
なぜこの人はもっと前向きになれないんだろう。
そんな風に思ったことはありませんか。
この記事では不平不満や愚痴ばかりの母親の心理を探ってみたいと思います。
なぜ娘がターゲットになりやすいのか

私の母親は私が物心ついたときから、主に父に対する愚痴や不平不満を私に聞かせ続けました。
私には兄がいましたが、兄よりも私に言う方が圧倒的に多かったように思います。
ヒーラーになって、クライアントさんの生い立ちなどをよく聞くようになってから、母親に愚痴や不平不満を聞かされ続けた人は案外多いことに気付きました。
母親の不平不満や愚痴の受け入れ口になるのは、娘の立場にあった人が多いです。
特に長女が多いように思いますが、次女や三女、または息子であっても聞かされ続ける人はいます。
娘がターゲットになりやすいのは母親と同じ女性であり、共感してくれる要素を持っているからでしょう。
私には1人息子がいますが、男の子は基本解決思考で、共感力は女の子に比べて低い傾向にあります。
自分の興味のない話には聞く耳を持たないので、愚痴や不平不満の受け皿としては不向きです。
娘でも長女に言いやすいのは、女の子の第一子ということもあり、母親は何かと頼りにするからか、本人も頼られる役目を果たそうとするからでしょう。
もちろん、子どもの性質にもよります。
・話を聞いてくれる
・同調(同情)してくれる
・責任感や正義感が強い
そんな性質を持つ子どもが、母親の愚痴や不平不満の受け入れ口とされやすいように思います。
愚痴や不平不満を言い続ける母親の心理
なぜ母親は娘に愚痴や不平不満を言い続けるのでしょうか。
しかも愚痴や不平不満を言い続けるばかりで、それを解決しようと思っているようには見えません。
娘に愚痴や不平不満を言い続ける母親の心理を探っていきます。
① かわいそうな自分でいたい

愚痴や不平不満を言い続ける母親は、かわいそうな被害者でいたがっています。
「私は何も悪くないのに、お父さんが私に意地悪をする。」
「なんて私はかわいそう」
そして自分の被害者としての地位を確立するために、娘に同情して同調してもらいたいのです。
「お母さん、かわいそう」
「お父さん、ほんとひどいよね」
自分が被害者だということを保証してくれる娘の声は、母親を安心させます。
そして「自分は悪くないので、自分は変わる必要がない」とますます思い込んでいきます。
② 問題を解決しようとは思っていない
愚痴や不平不満は時々、相談のような形で言われることもあります。
「お父さんがひどいことを言うのよ。お母さん、どうしたらいい?」
相談のように聞こえるからこそ、娘はその答えを導き出してあげようとします。
「もう離婚したらいいんじゃない?」
「お父さんの言うことなんて、聞き流したらどうかな?」
しかし、母親の求めるものは答えではありません。
「離婚なんて、お金がないからできない」「聞き流せなんて、、、なんてひどいこと言うの?!」などの言い訳を並び立て、娘の正論を拒絶します。
なぜ問題を解決しようとしようとしないのでしょうか。
それは無力でかわいそうな自分で居続けた方が都合がよいからです。
その方が、変わらなくですむからです。
③ 感情を発散したい

娘に愚痴や不平不満を言い続けることで、母親は内側にたまった感情を発散しています。
私の母親は私に「お父さんはお母さんのことを怒りのゴミ箱にしてるのよ」と言いながら、私の母親は私のことを父に対する怒りや嘆きのゴミ箱にしていました。
母の使う『ゴミ箱』という言葉は適切だなーと思います。
自分の中が感情のゴミだらけになって耐えきれなくなるので、その感情のゴミを誰かに背負わせたくなるのです。
でも、それで根本解決するわけではありません。
一時的には軽くなっても、感情のゴミが生じる原因が解決されたわけではないので、感情のゴミは溜まり続けます。
そして耐えきれなくなったときに、子どもにまた、押し付けるのです。
その行為はずっと繰り返されます。
④ 自己否定感が強い
不平不安や愚痴を言い続ける母親は自己否定感がかなり強いです。
根本では「自分はダメな人間だ」「自分は無力だ」と思い込んでいます。
だから自分の周りが嫌なことだらけなのも、ある意味仕方ないと受け入れています。
そして自分の恵まれている部分に目を向けようとしません。
私の母親は、「調子よさそうじゃない?よかったね。」と声をかけると、「いやいやいや、足も痛いし、痩せてきちゃってるし、お父さんも相変わらず悪いし、今が人生で一番最悪よ。」と、調子良く見えることを全力で否定し、いかに自分が不幸で病んでいるかを全力で伝えようとしてきました。
自己否定感が強いと、楽しいことや嬉しいことがあってもすぐ忘れて、辛いこと苦しいことにフォーカスします。
なので、心は満たされません。
⑤ 無意識に娘の幸せの足を引っ張ることをしていることに気づかない

娘に愚痴や不平不満を言い続ける母親は表面的には「あなたの幸せを願っている」ということを言うかもしれません。
しかしやっていることは真逆で、娘の幸せの足を引っ張り続けています。
大好きな母親から感情のゴミ箱にされることで、娘は自己否定感を大きくします。
かわいそうな母親を前に、娘は自分だけ幸せになることに対し罪悪感を抱くようになります。
何を言っても変わろうとしない母親に対し、娘は無力感を感じ始めます。
かといって、大好きな母親を見捨てることはできません。
しかし母親は自分が娘を蝕んでいることには気づきません。
不平不満や愚痴を言い続ける母親の心理の根っこにあるものとは

①〜⑤を見ていきましたが、不平不満や愚痴を言い続ける当の本人はそんな心理状態が自分の中にあることに全く気づいていません。
むしろ①〜⑤の要素を持っていると指摘すると、怒り狂うかもしれません。
ここまで育ててあげた娘なんだから、親の不平不満や愚痴をちょっとくらい聞いてくれたっていいだろうくらいにしか思っていません。
不平不満や愚痴を娘に言うことに対し申し訳なく思う母親もいるかもしれませんが、「お母さんはこんなに大変なんだから仕方ない」としてしまっている母親がほとんどでしょう。
不平不満や愚痴を言う母親は自分自身のことを客観的に見ることができません。
とにかく「自分はこんなにひどく傷ついている!」として、自分と自分を傷つける人や環境のことしか目に入らないのです。
なぜ母親はそうなってしまったのでしょうか。
原因の根っこは母親の育った家庭環境の中にあるといっても過言ではないでしょう。
母親がその母親・父親に充分に愛されて満たされて育った場合、愚痴や不平不満がで続けるような人生を送ることはまずありません。
親や兄弟や周りの人たちとの関わりの中で、『自分ってダメな人間だ』『自分はかわいそうだ』などと思い込むような出来事があり、その時に感じたネガティブな感情が大きすぎた場合、深い心の傷(=インナーチャイルド)が刻まれます。
そしてインナーチャイルドが深くて大きければ大きいほど、『自分ってダメな人間だ』『自分はかわいそうだ』という思い込みに沿った現実を引き寄せるようになってしまいます。
残念なことに、インナーチャイルドとまでなってしまった心の傷はそう簡単には癒せません。
娘がいくら不平不満や愚痴だらけの母親を幸せにするために心を砕いたとしても、母親が変わろうとしないのはそのためです。
母親のインナーチャイルドが変化を拒むのです。
不平不満や愚痴を言い続ける母親とどう付き合っていけばいいのか

悩ましいところではありますが、母親のために不平不満や愚痴を聞き続けていても、母親が幸せになる方向に変化する可能性は非常に低いです。
なぜなら、母親自身が深い部分で、『幸せになるために自分は変わる』と決めないと、インナーチャイルドレベルになった心の傷は癒せないからです。
もし母親の不平不満や愚痴を聞くことが辛くなっている場合は、すぐそれをやめましょう。
あなたが母親のために自己犠牲している分、あなたはどんどん自分を不幸にしていっているからです。
また、母親があなたにしてきたことが、あなたのインナーチャイルドとなっている可能性も高いです。
だとしたら、あなた自身の人生もそれほどうまくいっていないのかもしれません。
その場合は特に母親のことはいったん置いておいて、まずは自分自身を幸せにすることだけに注力していくことをお勧めします。
私は私自身を幸せにするために、まず自分のインナーチャイルドを癒すことをしました。
その過程において、『インナーチャイルド』を扱うヒーリングを受けました。
そして母親の不平不満や愚痴を一切聞かないという選択ができるようになりました。
すると母親自身が少しずつ変わっていくという、面白い現象が起きてきました。
今、母親は私に不平不満や愚痴を言うことはほとんどなくなり、代わりに「こんな面白いことがあった。」などの明るい話題を口にするようになっています。
まとめ
母親が不平不満や愚痴を言い続ける心理を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
長い間同じような不平不満や愚痴を口にしてきた母親ほど、インナーチャイルドは深く大きく、そう簡単には変化しません。
そんな母親に対し、変わってほしい、という期待があればあるほど、裏切られることも多いです。
まずは母親と一定の距離を保って、自分自身のことを最優先に考えてください。
自分が幸せになればそれが自然と周りに広がっていくのです。
あなたが幸せになることを心から応援しています。
下の記事は母親との関係について共依存というキーワードで読み解いています。
もし愚痴をいう母親との関係をさらに読み解きたいと言う方は参考にされてください。