つい頑張りすぎてしまうあなたへ。-完璧主義を手放して楽になる4つの方法-

つい頑張って疲れてしまう。。。ということはありませんか?

頑張りやさんに多いのが完璧主義です。

 

完璧主義の人は、アウトプットがよく、周りからの評価も高いことが多いですが、頑張っているということは自分に負荷をかけて、無理をしているということでもあります。

完璧主義の精神的健康への影響について、多くの研究がなされていますが、完璧主義と抑うつ、不安、強迫症状、摂食障害など、さまざまな精神的不適応との関係が指摘されています。

 

完璧主義を手放して楽になるための方法について解説します。

 

この記事の目次

完璧主義ってどんな人

 

完璧主義の人は目標や理想が高く

「とりあえずササっとやってみる」ということができなかったり

完璧さを追求し、いつも自分を追い詰めてしまったり

まわりの「頑張らない人」が許せなかったり

「…すべき」だという発想が出てきたり、

「失敗」というものを恐れすぎていたり

他人からの評価がやたらに気になったりします。

 

あてはまるな…と思ったら、あなたは「完璧主義」かもしれません。

 

完璧主義の人に共通する考え方

 

完璧主義な人には、共通する3つの考え方の特徴があります。

 

白黒はっきりさせたい

こういう人は、非常にマジメで正義感が強い人が多いのですが、

物事を「成功か失敗か」「ゼロか100か」など

価値判断を極端な2つの指標で考えてしまいます。

あいまいな状態だとモヤモヤして落ち着かないのです。

 

自分が理想とする100点満点の成功をすることだけが良く、

少しでも失敗すると、それが他の人から見たらほぼ理想通りだとしても

「無意味だ!」と思ってしまいがちです。

 

自分にそれだけのものを課しているわけですから、

ストレスがたまるのも当然です。

 

普遍化してしまう

これは、一回や2回起こっただけの失敗や悪い出来事を、

常に当然のごとく起きるコトだと思いこむ思考パターンです。

 

ネガティブな思考が浮かんだとき、

「いつも」とか 「すべて」とか 「絶対」というような意味の言葉が入っていたら要注意です。

 

たとえば、

何か失敗したときに、「きっと次もうまくいかない」と考えたり、

小さなミスにも関わらず、「自分はいつもミスするダメ人間だ」と決めつけてしまったり、「どうせ、皆、私のことをダメな奴だと思っている」と思ったり

 

拒絶を恐れる心理も普遍化することからきます。

たった一人の人に一回拒絶されただけでも、これから先ずっとすべての人に拒絶されるように感じてしまうくらいのダメージを負ってしまうのです。

 

このような思考パターンだと当然ストレスはたまりやすくなります。

 

自分の考えの中に、「いつも」とか 「すべて」とか 「絶対」が入っていたら

本当にそうなのか、立ち止まって考えてみましょう。

 

「~するべき」「こうあるべき」という思考

自分が思う基準や理想に縛られてしまう思考パターンです。

 

これが自分に働けば、自分を責めることになります。

必要以上にプレッシャーを与えて、追い詰めてしまいます。

出来なかったときに、自己嫌悪に陥りやすく、自分を責めてしまうという繰り返しになります。

 

これが他人に働くと、相手を責めることになります。

思い通りにならない相手に批判的になったり、怒ったりしがちです。

 

いずれにしても、物事に対しての融通が利きにくく、気持ちのゆとりがありません。

とうぜん、無駄なストレスが増します。

 

手放すには、まず自分のクセに気づくこと。

そして、「〇〇すべき」と出てきたら、本当にそうなのか考えてみましょう。

 

こういう思考パターンの裏には、ちゃんとしないと批判されてしまうというような不安や「しっかりしている人」として認められたい欲求があることが多いとされています。

自分が持っている不安や欲求に寄り添ってみましょう。

 

そして、「〇〇すべき」を緩めるためのポイントは、「〇〇するほうがよい」と言葉を置き換えるようにすることです。

 

完璧主義を手放す4つの方法

 

「完璧主義」の人に共通する考え方の3つの特徴についてお伝えしてきました。

 

完璧主義の人は、仕事の精度が高い、責任感が強い、最後まで手を抜かない、信頼を裏切らないといった長所があります。

 

その反面、自分にも他人にも厳しく、批判的になりがちで、柔軟性に乏しいことが多く、常にプレッシャーの中にいます。

 

加点方式で考える

 

完璧主義を手放すためには、「加点方式で考える」ことが有効です。

 

「足りていないもの」よりも「今あるもの」に目を向けるのです。

完璧主義の人は、できていないところ、足りていないところに目が行きがちです。

つまり、減点方式の考え方になっています。

 

そして、常に「理想の状態」つまり、100点満点を目指しているのです。

加点方式で考えるというのは、ゼロの状態から点数を足していくことです。

つまり、「できたこと」「今あること」に意識を向けることです。

 

そうすることで、頑張っていることや前進していることを実感しやすくなります。

 

「まぁ、いいか」と言ってみる。

 

これは、気持ちを楽にするための魔法の言葉です。

 

完璧主義の徴候が出たとき、

たとえば、何かちょっとうまくいかなくて「もうだめだ」と思ったら、

「まぁ、いいか」と言ってみましょう。

 

この言葉をつぶやくことで、肩の力が抜け、

「まぁ、いいか」という気分になりやすくなります。

いうなれば、自分自身を大切に扱い、優しく接するための励ましの言葉ともいえます。

 

失敗や間違いを責めるのではなく、愛情を持って自分に接してあげてください。

自分自身と良好な関係が築けるようになると、人間関係も好転してきます。

 

結果を手放す

 

完璧な結果を目指すのはいいのですが、

 

満足する結果が得られなかった時に自分を責めるというのは考えものです。

 

とはいえ、完璧主義の方からしたら、言うは易く行うは難しといったところかもしれませんが…。

 

まずは「やることをしっかりやったら結果を手放そう」と意図してみましょう。

 

努力した結果、満足する結果が得られなかったとしても

全てが無駄というわけではありません。

 

その行動から得られたものがあるはずです。

 

更にいうと、結果を手放したときのほうが結果が得られやすい場合もあります。

というのも、結果を手放した時のほうがリラックスして本来の力を出しやすくなるのです。

 

自分の「普通」や「常識」を客観的にみる

 

自分が「これくらいが普通」と思っていることや「こんなの常識でしょ」と思っていることは本当にそうなのでしょうか。

 

完璧主義の人は、時に客観的にみると厳しい要求を「普通」と思って

自分や他人に課していたりします。

 

一歩引いて周りを見てみましょう。

 

他の人の「普通」や「常識」は、あなたといっしょでしょうか。

 

高い水準を自分にも他人にも課しているとしたら、

当然それは、ストレスをため込む原因になってきます。

 

まとめ

完璧主義は、常に自分に大きな負荷をかけてしまいます。

もしかすると理想に目が行ってしまうあまりに、自分が疲れていることにすら気づかないかもしれません。

もしかしたら、完璧主義かも…と思ったら意識的に立ち止まって自分の声に耳を傾ける時間を持ちましょう。

リラックスすることは、決してさぼっているわけでも手を抜いているわけでもありません。

完璧主義を手放して、より自分らしい人生を歩んでいきましょう。

 

参考)

完璧主義の適応的構成要素と精神的健康の関係―日本語版 Dynamic APS-R完璧主義質問表による検討― 中野敬子ら 跡見学園女子大学文学部紀要 第45号 p75-89, 2010

新完全主義尺度
1.いつも、周りの人より高い目標を持とうと思う
2.注意深くやった仕事でも欠点があるような気がして心配になる
3.〝失敗は成功のもと“などとは考えられない
4.何事においても最高の水準を目指している
5.どんなことでも完璧にやり遂げることが私のモットーである
6.ささいな失敗でも、周りの人からの評価は下がるだろう
7.高い目標をもつ方が、自分のためになると思う
8.何かをやり残しているようで、不安になることがある
9.物事は常にうまくできていないと気がすまない
10.人前で失敗することなど、とんでもないことだ
11.簡単な課題ばかり選んでいては、だめな人間になる
12.納得できる仕事をするには、人一倍時間がかかる
13.中途半端な出来では我慢できない
14.自分の能力を最大限に引き出すような理想をもつべきである
15.念には念を入れる方である
16.できる限り、完璧であろうと努力する
17.少しでもミスがあれば、完全に失敗したのも同然でる
18.戸締りや火のしまつなどは、何回も確かめないと不安である
19.完璧にできなければ、成功とはいわない
20.やるべきことは完璧にやらなければならない

完全でありたいという欲求尺度:5,9,13,16,20
自分に高い目標を課する傾向尺度:1,4,7,11,14
ミスを過度に気にする傾向尺度:3,6,10,17,19
自分の行動に漠然とした疑いをもつ傾向尺度:2,8,12,15,18

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この記事を書いた人

研修医期間終了後、神経内科医として主に急性期病院にて13年間勤務。
3年間の回復期病棟での勤務を経て、平成24年より在宅医療に従事。2018年5月ヘテロクリニック開設。

多くの患者さんにかかわる中で、より健康であるためには、病気にだけフォーカスをあてるのでは不十分なのではないかと実感し、医療の分野以外にも学んでいる。

高齢になっても若々しく元気な方たちの特徴から、自分らしく生きることが重要性を感じ、そのためのツールとして脳と心についての情報をフェイスブックページやホームページを通じて発信している。

日本内科学会 内科認定医、日本神経学会 神経内科専門医、医学博士、認定産業医、日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー、感情カウンセラー協会認定 感情カウンセラー、リズ・ブルボーのからだの声を聞きなさいスクール カウンセラーコース終了、NLPプラクティショナー、著書に『クスリに頼らない免疫力向上計画』(みらいパブリッシング)、『脳の取扱説明書』(みらいパブリッシング)

HP:https://hetero-clinic.com/
HP:https://www.harmonista.org/
HP:https://harmonista.jp/

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