一悟術

対人関係の良好化〜見方・考え方の工夫〜 

世の中で最も難しい問題のひとつに、人間関係があげられます。夫婦親子の関係、友人・知人の関係、店主と店員の関係、社長と社員の関係、先輩と後輩の関係、同僚同士の関係など、そのほかにも様々な人間関係がありますが、それらの間柄がうまくしっくりといき協力体制ができていれば、われわれの日常生活は楽しくなり、仕事の効率も向上することでしょう。

また親子、夫婦の関係がいつも円満で平和、穏やかであれば、家庭全体が明るくのびのびした雰囲気に溢れていると、外に働きに出ている人の能力は上がり、仕事先での成功に繋がりやすくなるともいわれています。

そして留守を守る者には、家事に対する能力も向上する傾向にあるようです。

今回は、我々の周りの人間関係を明るくしていくための取り組みについて紹介していきたいと思います。

 

1、ものの見方

ものの見方

例えば、部屋の片隅に一輪の花を活けて、置いていたとしましょう。それを見て、Aさんは「美しい花だな、何という名前なのだろう」と見ています。そして傍にいたBさんは「なんだ、花か…」とため息混じりにチラリとみて視線を外します。また、Cさんは「綺麗な花だけど、いくら位の値段がするのだろう」と経済的に見つめています。さらにDさんは「こんなに綺麗な花をさかせるには、根が立派だったんだ」と根を褒めて頷いています。

このように、同じ1本の花を見ても、その見方や考え方はそれぞれ違うことがわかります。また植物に限らず、人間を見る場合でも様々な見方をしています。

例えば、異性を見て「あの人は美人だ」「あの人はハンサムだわ」とある人が言っても、他の人が見たら「えっ?そうかな」「そんな分類に入らないでしょ〜」と言うかもしれません。

それは“美人”や“ハンサム”の基準が、それぞれ個々人によって異なるからこそ意見や見方も違うと認識することができるからです。つまり、ひとりひとりが違った尺度(ものさし)を持ち、人を観ているといえることになります。

そこで、個々人に違う尺度(ものさし)は、どのように構成されているのか考えてみると3点あげることができます。

1点目が、そのものの“好き嫌い”を判断する「①好み」。そして2点目が、どうしても気に入らない、いけすかないと感じてしまう「②感情」。最後の3点目が、自分がこれまでにやったことのある「③経験」です。

人やものを見ることで生じる様々な想いから、批判したり、責めたり、恨んだりする行為へと変化していきます。それは、私たちの心境面に巣食っている何らかの影響を受けているからと考えられないでしょうか。

そのひとつとして、これまで我々が成長する段階で培ってきた尺度(ものさし)があり、皆それぞれ考え方や見方が違うからといえるでしょう。

 

2、正しい認識

正しい認識

同じ人間を見ても、人によってそれぞれ違うものとの捉え方は、先述してきた中で見てきた内容です。しかしよく考えてみると「①好み」「②感情」「③経験」のそれぞれにおいて、感じる内容は人それぞれではありますが、全てが自分本位で物事を捉えているかのように感じられるのではないでしょうか。

「好み」という点に注目して見ると、自分は好みであっても、他の人から見たら苦手なものかもしれません。また「感情」について考えてみれば、相手の人やものに良し悪しがあるのではないと考えられないでしょうか。つまり、ただただ自分だけが“好き”とか“嫌い”などというラベルを貼り付けて見ているに過ぎないことがわかるでしょう。

さらに「経験」については、これまで経験したことがないことを否定してしまうのは早計かもしれないといった考え方を持っているかどうかです。しっかりと調査をして、判断をしなければ、次に進むためのチャンスを取り逃がしてしまう可能性があることを視野に入れておきたいものです。

ここで「正しい認識」と掲げたのは、意識の転換をするということです。これまでにない視点を持ち、視野を広げることで、自分だけでなく周囲の人や、ものの見方を捉え直すことに意識を向けて取り組んでみてはいかがでしょう。

私たちは決して一人では、生きてはいけません。生活においても、職場においても、必ずと言って良いほど多くの方々の力を借りながら生活しています。人々と協力しあい、大きな目標の達成や成功をつかむ為には、“和する”ことが大切です。

これから、「どのようことを意識して、取り組んでいったら良いのか」について具体的な行動と、意識の向け方について取り上げていきます。

読み進めていく中で完全に共感できるものもあれば、疑問が残るところもあるかもしれません。そのような時は、疑問点は横に置いておき、共感できた内容や出来そうだと感じた取り組みから始めてみてはいかがでしょう。

次第に疑問に感じた内容も、取り組み続けることで答えが見えてきますし、独自の気づきや考え方がやってくることでしょう。そのような時には、その気づきを逃さずに行動に移してみてください。きっとこれまでにない出来事に出会えることでしょう。

 

(1)「好み」の転換

それぞれの立場を尊重して、性格や考え方、その苦労や努力を理解し合うことから始めていくことに意識を向けていきましょう。

 

(2)「感情」の転換

みんなそれぞれの尺度を持って、日常生活や職場生活をよりよくしようと活かして動いています。しかしその尺度が悪いと言っているわけではありません。注意すべき点は、自分の尺度のみに固着して、人の尺度を理解しようとしないことに問題があるのです。

相手の話に耳を傾けつつ、お互いの考えをぶつけ合いながら、これまでにないものを産み、育てていいかれることに意識を向けてはいかがでしょう。

 

(3)「経験」の転換

互いに協力し合い、大きな繋がりを育てていくには、「互いを知ること」が重要になります。多くの方々と協力しながら生きているのですから、周囲の方々との“和”を大切にしていくことが求められます。

正しいものの見方、考え方を行うには“知る”ことが必要となります。しっかりとした知識と認識を持って、取り組んでいくことに意識を向けてみてはいかがでしょうか。

 

「経験」の転換

 

先人は「聖人は微を見て以て萌をしり、端を見て末を知る」といった言葉を残しています。これは、「本当に優れた人物は、物事のわずかな変化や違和感を見逃さない、細部を見ただけで物事の結末を予測してしまうような観察眼を養うこと」を教訓として残した言葉です。

つまり、知るためには「ジーッ」と見る(観る)こと、聞くことから始めることが大切なのです。

 

「見る・聞く」=「知る」→「尊敬」→「和」(人間関係の根本)

 

「見る」「聞く」を重ねて行うことは、その人や物事を「知る」ことに繋がります。そしてさらに深く「知る」努力を重ねるうちに、そのものの中に非凡な点を感じるような変化をかんじることでしょう。

そして自他の模範となる存在であると感じられるようになった時、私たちの心の中には「尊敬」の念が生まれてきます。そのような想いが普段活用している言葉や姿勢にあらわれ始め、互いに尊び敬う関係性が産まれてきます。

こうした関係が互いの絆を強くし、人間関係の根本となる「和」を作り出していくのです。

 

3、具体的な行動

具体的な行動

良好な人間関係を築き上げていくために、他の人やものの良いところを発見していくことが進歩向上の鍵となります。では、どうしたら他者のいいところを発見できるようになるのでしょうか。

これから日常生活で意識しやすい項目をいくつか提案します。これまでの自分の生活を振り返りながら照らし合わせて、不足しているなと感じたところを今後の生活に意識的に加えていただけたらと思います。

 

(1)自分が素直になること

素直とは、「何でもそのまま見たり、聞いたりすること」です。

私たちはこれまでの経験から、それが正しいと一度思い込んでしまうと、なかなか変えることができない固定観念や先入観を持ってしまいます。できるだけそのような観念に捉われないように気をつけて、その事実のみを受け取るように心がけていきましょう。

 

(2)自分の意見や考え方に固着しない

他の人たちが、自分の考えと違う意見を述べたとしても、嫌ったりせず、そのまま聞いて《そういった考え方もあるのか》とやわらかく受け取れるような心持ちを意識していきましょう。

 

(3)明るく見よう、美しくみようと心がける

人やものの良いところを発見しようとしても、一朝一夕にはできません。毎日の取り組みを積み重ねていくことで出来るようになります。自然を見ても、人やものを見ても、まずはそのものの良さがどこにあるのかと探す習慣を身につけていくことが大切です。

何か言われたり、させられたりしたときも、良い方向に解釈して過ごしてみてはいかがでしょうか。極端かもしれませんが、「騙すより騙される方がまだよい」と話す人もいるほどです。少しずつ心掛けてはいかがでしょう。

 

(4)相手の立場でものを見て、考える

自分を前に出し、自我を主張しすぎると高慢になります。謙虚な気持ちを持って、相手の立場を理解し、利益と損失についても考えを巡らせて見てはいかがでしょうか。

 

(5)なにごとにも感謝すること

感謝する気持ちが謙虚さを生み、思いやりのある心を育てていきます。感謝することをいつも念頭において、行動してみましょう。

 

最後に

最後に

他者の良いところを探そうと意識を持つことで、周囲との人間関係も良好にすることが可能となります。もし可能であれば、グループワークなどで、互いに相手の良いところを伝え合うワークを行い、参加者全員が効果を実感できることができれば、より良い雰囲気創りにも繋がります。

「他者の良いところを探して、さらに伝える」となると、私たちは何か特別なことを伝えなくてはならないとの感覚に陥ったりしますが、向かい合った相手のそのままの姿を見て、褒めて、褒めて、褒め抜くことに意識をむけてください。

「笑顔」「服装(ネクタイ、シャツ、色)」「姿勢」「声」等々について触れる程度で大丈夫です。日常生活においても、突然話の本題に入るよりも、相手の良いところをひとつ伝えてから挨拶をしたり、話の本題に入ったりとすることで、受け止める方は聞く体制が整えることができることでしょう。

さらには、発言者はその表情を見ることで冷静に話を進めることができるといった効果も期待できます。その結果、お互いの人間関係をよりよいものへと導いいてくれます。

ものは試しと、1日ひとつ、良いところを発見して、相手に伝える習慣を身につけることに挑戦してみてはいかがでしょうか。

汪夕龍
1980年千葉県生まれ。建築設備業界で10年間、専門技術管理者として働く。
その後、企業経営者を対象としたセミナーを、7年間で約500会場経験。同時に執筆・指導に従事した。

2017年6月新たな可能性を見出し、一悟術ヒーラーとして活動を開始。
これまでの経験を活かし、多くの方々と共に心の勉強をしていこうと現在模索中。

HP:https://wangxilong.amebaownd.com/

上に戻る