一悟術

「自分を表現できない」5つの原因と「自己表現」のためのマインドセットの方法 

以前、私には「自分の思っていることを言えない」という悩みがありました。

人前で話すこともそうですが、独身時代の男同士のスキー旅行の飲み会で、好きなアイドルとか女優、女性のタイプなど話すのも妙に恥ずかしくてイヤでした。

人から見れば他愛のないことなんですが、自分ではそうは思えなかったんですよね。

あと、子供の時の経験からカラオケで歌うのも抵抗がありました。歌手でもないんだから、別に下手でもどうってことないのにと今は思えます。

意見とか考えだけでなく、感性とかいろいろと自分にまつわるものを人に開示するのに抵抗があったんだと思います。

その分野や対象は人によってさまざまでしょう。

「着てみたいけど着られない服がある」とか、「人前でスピーチするぐらいなら死んだ方がマシ」とか、「職場でケーキが配られるとき、食べたいのを言い出せずいつも残り物になる」とか。

これらは広い意味で、自分を表現すること、自己表現と呼ばれるものです。

考えてみれば、人に関わることすべてが自己表現かもしれません。

さらに広げると、自分で自分に何かを言ったりすることがあるように、自分に対して自己表現をしているとも考えられます。

すると本当に、「生きることすべてが自己表現」と言えるかもしれません。

そして、自分を表現できないことが問題なのは、自分で自分を責めてしまうことからです。

自分を不甲斐なく感じたり、価値がないと感じたり。

できることならなんとかしたいと思うのも無理はありません。

この記事では、なぜ自分を表現できないのか、その原因と、自己表現するためのマインドセットの方法をまとめました。

 

1.自分を表現できない5つの原因

自分を表現できない5つの原因

自分を表現したくない、またはできないという時、どんな思いを感じているでしょうか。

感情としては、「恥ずかしい」が圧倒的ではないかと思います。ついで、「恐れ」とか「不安」もあるかもしれません。

そして、こんな思いはないでしょうか。

「目立ちたくない」

それから、行動として「人の目が気になる」

直接的には、これらの感情や思い、行動ですが、これらはいったいどこからくるのでしょうか。

(1)過去の体験からくる恐れ

過去に自分を表現することでネガティブな経験があると、同じような場面に遭遇した時、また同じ思いをするんじゃないかと恐れや不安が湧いてきます。

自分の主張を批判されたり、バカにされたり、笑われたりといったことです。

私は父親にからかわれてとてもイヤだった記憶がいくつかあります。

小学校の頃、近所ののど自慢大会で勇気を奮って歌を歌い、高揚して帰ってきたら、父に笑われてものすごく悲しかったことがありました。

自分はその時音が外れてるから笑われたと受け取り(たしかめるのもイヤだったので)、ずっと自分は音痴だというコンプレックスをもっていて、以前はカラオケが大嫌いでした。

過去のことであっても、心の傷が消えたわけでなく隠れているだけの場合、同じようなシチュエーションで痛みを感じたり、それを怖がったりするのです。

(2)親の口癖、言い聞かせ

親の口癖や幼い頃に言い聞かせられたことが原因となっている場合もあります。

「目立つのはよくない」、「出る杭は打たれる」、「普通が一番」などですね。

普通というのは無難にということでしょう。

無難って、難儀がないって意味なんでしょうが、トラブルを避けるために自分を抑圧するって考え方なんでしょうね。

私は今アラフィフですが、親の世代だと世間体を気にするなんてのもありました。

なんだか世間やご近所という人格を持った存在があって、それに見張られてるような気がしたものです。

女性の場合だと、「女の子なんだから」と言われて育ったというのもよく聞く話です。

(3)間違いへの恐れ

間違ったり、失敗するのが好きな人はいないでしょう。けれど、それが度を越すと、新しいことにチャレンジできなくなってしまいます。

これには学校教育が影響しているかもしれません。

正しい答えを詰め込んで、テストで答案用紙に書くことがすべてなので。

「学びに失敗は付きもの」とか、「失敗を恐れてチャレンジしない方が失敗するより残念」とか、今なら当たり前と思います。

でも、そういう考え方を、学校ではほとんど聞いたように思います。

最近は違っているといいんですが。

(4)恥をかきたくない

人から笑われて恥ずかしい思いをした人は多いでしょう。

自分を表現しないことの背景には、恥をかきたくないという心理も働きやすいといえます。

恥というのは人と比較して、自分が劣っていると感じる時に出る感情です。

劣っているものには、価値がないとされています。

誰も自分を価値がないものと思いたくないですものね。

誰かをあざ笑うことには、相手がおかしいもの、へんなもの、変わっているといったメッセージが含まれます。

価値がないとされたり、へんだと決めつけられるなら、自分を表現したくなくなっても仕方がないかもしれません。

(5)人と違うことへの恐れ

人と違うということは、それだけで恐怖です。

多数決による民主主義って、ひとりひとりが成熟していないと、少数意見を持つものを多数意見に従わせる同調圧力が非常に働きやすいですよね。

過去、日本においては、村八分なんていうのもありましたし。そうなると、生存を脅かされるレベルです。

みんなと一緒なら安心。自分を表現したはいいけど、自分だけ他の人と違っていたら、どんな不都合が待ち受けているか、ということですね。

 

2.自分を表現しないという処世術の是非

自分を表現しないという処世術の是非

冒頭に書いたように自己嫌悪のもとになったりする「自分を表現しない」と性質。

しかし、冷静に分析してみると、デメリットばかりでもないようです。

(1)自分を表現しないことのメリット

自分を表現しないことのメリットは、上にあげた原因から推測することができます。

その最大のメリットは、目立たずに隠れているので、誰かから攻撃されにくいことです。

まぁ、なんで隠れてるの?とわざわざ見つけ出して攻撃してくる人もなくはないですが、可能性でいえば目立つよりは圧倒的に攻撃されにくいとは言えるでしょう。

攻撃された場合も、なんとなくウジウジしてやり過ごすことも可能です。そんな自分にまた嫌気がさしたりするのですが。

次に、黙っていると相手が勝手に深読みして、賢そうに見てもらえるというのもあるかもしれません。

私などはこれでずい分特をしているかもしれません。

日頃のキャラ設定というのも関係すると思いますが、人によっては、奥ゆかしいとか、かわいいとか、穏やかなどと思ってもらえる人もいるでしょう。

(2)自分を表現しないことのデメリット

一方で、自分を表現しないデメリットももちろんあります。

上でみた黙っていることのメリットはたいてい時間が経つとメッキが剥がれます。

言うべきことを言うべき時に言わない、表現するべき時にしないことはそのうちバレるからです。

そうなると、侮られることになります。

信念がないとか、心が弱いとか、勇気がないなどと思われてしまうからです。

そして、軽んじられてないがしろにされてしまう。

こうしてみると、自分を表現しないのは、短期的にはうまくいったりその場を切り抜けられたりするけれど、長期的にみるとやっぱりうまくいかないということになります。

 

3.自分を表現しない人の動機

とは言うものの、自分を表現しないことを一律に切り捨てるのではなく、メリットもあったことを認めると、なぜ自分を表現しないことを選んでいるのかという動機が見えてきます。

(1)自分を守りたい

自分を表現しないことは、短期的にはメリットがありました。その利益を突き詰めると、自分の安全をはかるということでした。

自分が傷つかないよう自分を守ることは、考えるまでもなく誰にとっても大事なことです。

上でみた原因のせいで、表現しないことを余儀なくされている、選択の余地はないと思っていたかもしれません。

しかし、俯瞰してみると、自分のメリットのために、主体的にその選択をしていると捉えることも可能です。

(2)自分を高めたい

そして、その場を切り抜けることには、こんな意味はないでしょうか。

今、表現してしまうと、間違えたり、未熟なので、恥をかいてしまう。

だったら、ここはやり過ごして、影でこっそり練習して、人に見せられるようになったら、表に出そう。

実際に、そうして恥をかきたくない気持ちをバネにして、なにかがうまくできるようになったり能力が高まったりした経験のある人もいるのではないでしょうか。

表現しないことは、自分は本来もっとできる、だから自分を高めたいという気持ちの裏返しでもあるのです。

表現しない自分をダメだと決めつけるのではなく、メリットがあるからそれを選んでいたんだと認めることが重要です。

まずは自分を責めないことです。

そして、主体的に選べるようになってこそ、自分を表現するという選択も可能だからです。

冷静に分析しても、やっぱり長期的にみると表現できないデメリットが大きいと確認したところで、自分を表現できるマインドセットの方法をみていきましょう。

 

4.自分を表現するためのマインドセット

自分を表現するためのマインドセット

(1)自分を表現しなくてもいいと認める

前項でみたように、自分を表現「できない」のではなく、少なくともその時は、その方がメリットがあったので、それを「選んでいた」のです。

そうせざるを得なかった、今もそうなら、そうせざるを得ない自分を責めることなく、まずはそのまま受け容れましょう

「そうなんだね」「そう思ってるんだ」「それでいい」

こんなふうに認めるだけでいいのです。

(2)どんな意見にも必ず反対者はいる

次に、知るべきはどんな突飛な意見でも賛成する人がいる反面、どんなに自分が妥当と思い、大多数が賛成するような意見でもほとんどの場合、反対者がいるということです。

人が持っているバックグランドは千差万別です。

にもかかわらず、投影という心理作用により、人はつい相手も自分と同じという思い込みを抱きやすいのです。

子供の頃、近くに住む仲の良い友達であっても、家に遊びに行ってご飯をご馳走になるときなど、家々でで習慣や振る舞いがまったく違って驚いた経験はないでしょうか。

たしかに日本は同質社会と呼ばれるくらい、重なる部分も多いです。

しかし、細かくみていくと、全く別の世界に存在しているくらいベースが違うこともあるのだと知っておきましょう。

(3)人の思いは人のもの

前項で見たように、人のバックグラウンドは各々異なっています。

相手が自分と異なる意見を持っているのにも、それ相応の理由があります。

ですから、相手がどんな思いを抱くか、自分の予想を超えることがあるのは当然だし、それをコントロールするすべもないのです。

もちろん、自分の事情を説明したり、思いを伝えることが無駄だとは言いません。

むしろ、思いを伝え合うことは、お互いに理解し合い、よりよい関係を築く上で大切なことです。

でも、それを聞いた上で、最後にどう思うかはやっぱりその人自身の判断であって、コントロールは不可能です。

極端に言えば、獄につながれた政治犯であっても、その人の思いを無理やり変えることなどできません。身体は拘束下にあっても、心の自由は奪えないのです。

(4)究極の選択

以上を踏まえれば、あなたが自分を表現したとしても、自分を表現しなかったとしても、誰かからは賛成ないし賞賛され、誰かからは反対ないし批判される、ということです。

つまり、次のどちらを選びますかという選択です。

「自分を好きなように表現して批判される」

「自分を抑えて表現せず批判される」か。

実は究極の選択でもなんでもなく、自分がどうしようと、いずれにしても批判される可能性は残るのなら、答えは自ずと明らかなのではないでしょうか。

(5)開き直る

それって単なる「開き直りじゃないの?」と思うかもしれません。

そのとおりです(笑)

けれど、相手から攻撃されて傷つくのはまともに取り合うからです。

開き直った人は強いです。

「私ってこういう人なんです」「こう感じるものは感じるんです」「なんと言われてもそれがいいと思うものは思う」

本来、自分が感じていることを他人がとやかく言うことはできないんです。

なぜなら、感じることや好きなことには、突き詰めると理由がないからです。それがあなたの存在する理由とも言えます。

もちろん、仕事の方針ややり方について、上司から指摘を受けた場合は別です。

きちんと理由を聞いて、納得できれば従いましょう。

でも、人格に関わることや感じ方に関することで、言われるままになる必要はありません。

そこを攻撃するのはハラスメントであり、向こうの非です。

 

5.まとめ

自分を表現することは、自分を受け入れて認めることであり、自分らしく自由に生きていくのに欠かせない要素です。

だからといって、自分を表現できない自分を責めていては、かえって自由に生きるところから遠ざかってしまいます。

表現しないのも表現の一つの形ぐらいに軽く捉え、自分をラクにするマインドセットを使って、自分の望む方向に向かって行っていただけたらと思います。

以上

祇場駿矢

京都市出身。
京都大学法学部卒業。
大学卒業後、現在のメガバンクに入社、26年間勤務。

ビジネスの現場で産業調査や大企業の事業再生、富裕層取引等を担当、多くの企業経営者、富裕層顧客と接する中で、世の中の流れ、リーダーシップ、お金の本質等について考察を深める。

少年期より「人はなんのために生きるのか」「人はどこから来てどこへ行くのか」を自らに問いかけてきた。バブル世代でいったんは世の中の価値観に染まるが、会社オンリーの人生に生きる意味を見失って挫折を味わう。

魂が震える生き方を追求する中で一悟術に出会い、自身や周りの体験から、自己成長の最高のツールという確信に至り、独立起業を果たし、誰もが物心共に幸せになれる方法として「悟りを目指す生き方」を伝えている。

豊富な社会経験、懐の深さから、経営者、投資家、コンサルタント、カウンセラー、コーチ、医師、作家、セミナー講師、会社員、主婦など、多くのクライアントから支持されている。

著書「先行きの不安から自由になる『お金と心の法則』」(フォレスト出版)

HP:https://fillz.biz

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