夢より志こそ生きる意味が見つかる早道

生きる意味がわからない、なんのために生きているのかわからない、生きがいもないし、やりたいこともない。

ここ最近、何人かそんな悩みを持つ人に会いました。

生きる意味がわからなくても生きてはいけるのでしょうが、本人としてはなかなかつらそうです。

そこで、そんな悩みを解決する方法を書いてみます。

 

この記事の目次

1.夢を持とうという提案の無意味さ

生きる意味がわからないという悩みに対して、「若いのに何言ってるの?夢を持てばいいんだよ」という人がいます。

夢とは、将来実現させたいと思っていること、という意味です。

将来の願望を達成しようと努力や行動することに、生きがいを見出そうということです。

そう言われて、やりたいことやこうなりたいという夢を持てる人は、それでいいと思います。

けれど、生きる意味がわからないと悩んでいる人は、そんなに気力がある人ばかりではないように思います。

頑張って苦しい思いをするぐらいなら今のままで十分、などという声も聞こえてきそうです。

そもそも自分のために何かしようという気力がないわけです。

 

2.夢と志の違い

そういう人には、私は志を持ってはどうかとお勧めしたいです。

志とは、心に思い決めた目的や目標のことです。

夢との違いは、夢が私的願望の色が濃い、つまり自分のためであるのに対して、志は、公のためというニュアンスを帯びてきます。

たとえば、国や自分の属する共同体、民族のためとか。

自分の夢ですら面倒で持ちたくないのに、公のためなんてとてもとても、と思うかもしれません。

でも、実際はそうでもないんです。

以下でそれを説明します。

 

3.志を持つと人は強くなる

まず、人間は夢より志で力が湧く存在です。

ちょっとした実験なんですが、同じぐらいの体格の二人のうち、夢を宣言した人(A)と志を宣言した人(B)が力比べすると、Bさんが勝つのです。

夢と志を入れ替えると、今度はAさんが勝ちます。

しかも、面白いことに、自分の志でなくても同じ結果となります。

別の人の志であっても公のために何かすることは人に力を与えるのです。

この実験は体の力ですが、心と体はつながっているので、心にもプラスの影響をもたらすのは明らかです。

このように、人は自分のためではなく、世のため人のために何かをすることで、力を得られる存在だということです。

自分なんかが人の役に立てないと思っていたとしても、それは変わりません。

素晴らしいことですね。

 

4.なぜ志が大切なのか

それでは、どうして志が人に力を与えるのでしょうか。

私はその理由を、人はつながりの中でこそ生きられるからだと考えます。

そもそも人間は身体機能では他の動物と比べて、力やスピードなど多くの点で劣っています。

それが地球上で最も力を持ち得たのは、人同士がつながり、協力し合う社会を形成したからです。

そして、日本人は伝統的に特につながりを大切にして生きてきた民族だと思います。

ともに生きる人を思いやる気持ちは、東日本大地震のような大災害の時でも変わらず、世界を驚かせのは記憶しているでしょう。

今の自分たちがあるのは祖先のおかげと感謝し、祖霊への信仰を大切にしました。

また、人々は、天照大神を祖先とする天皇を崇敬し、天皇はまた民を我が子として慈しんできました。

さらに、私たちを生み出した自然すべてに神を見、他の生命も同じ自然から生まれた兄弟として尊重しつつ、共生してきました。

このように人と人、人と神、自然、宇宙にいたるまで、すべてがつながり、その絶対的な安心感のなかで日本人は生きてきたのです。

これに対し、自分が自分がと我(が)を張ることは、自分を際立たせる、つまり、分離に向かう行為なのです。

そう考えると、個人的な願望である夢が、志に比べて大した力を持ち得ない理由も納得できますね。

 

5.志の持ち方

では、志の価値がわかったところで、どうしたら志が持てるのでしょう。

たしかに、生きる意味がわからないと悩む状態と、公のために献身することには大きなギャップがあります。

そのカギは、家族や友人など目の前の人の役に立つということです。

「そんなことして何になるの?意味ないよ」と、頭で判断することは簡単です。

会ったこともない人や、概念的にしか感じられない国というもののために何かしようと思っても、心のスイッチは入りません。

しかし、実際に目の前の近しい人のためになって、相手が笑顔になる、喜ばれる、感謝される。

その体験とそこで感じることこそが大切なのです。

それにより、つながりの中でこそ生きることができた、人が持つ自然な感覚が呼び覚まされます。

人は体験することでしか変わません。

あとは、自分ができることを少しずつ増やしていけばいいのです。

私はどんな人も自分が生まれてくる時に目的を決めてこの世に出てきていると思います。

あたかも謎解きのパズルのように、一つのヒントから次のヒントへとつながっていきます。

その道を辿っていけば、いつか本物の志にたどり着けるかもしれません。

いえ、本物云々は問題ではなく、その道をたどること自体が喜びに満ちた人生のストーリーです。

そうやって生きていると、生きる意味なんかまったく考えることもなく、生き生きと充実した日々を送る自分を発見するでしょう。

 

6.まとめ

生きる意味を探すのは、真面目に真剣に生きようとしている証拠です。

けれど、そのシリアスさがかえって幸せを遠ざけていることもあります。

むずかしいことは考えず、目の前にいるご縁のある人を思いやり、喜ばせることだけでいいのです。

志というと敷居が高いイメージですが、人の心と体が自然に備えているやる気のスイッチと言ってもいいかもしれません。

まずは小さな志から、楽しく喜びにあふれた人生をはじめましょう。

以上

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この記事を書いた人

京都市出身。
京都大学法学部卒業。
大学卒業後、現在のメガバンクに入社、26年間勤務。

ビジネスの現場で産業調査や大企業の事業再生、富裕層取引等を担当、多くの企業経営者、富裕層顧客と接する中で、世の中の流れ、リーダーシップ、お金の本質等について考察を深める。

少年期より「人はなんのために生きるのか」「人はどこから来てどこへ行くのか」を自らに問いかけてきた。バブル世代でいったんは世の中の価値観に染まるが、会社オンリーの人生に生きる意味を見失って挫折を味わう。

魂が震える生き方を追求する中でエネルギーヒーリングに出会い、自身や周りの体験から、自己成長の最高のツールという確信に至り、独立起業を果たし、誰もが物心共に幸せになれる方法として「悟りを目指す生き方」を伝えている。

豊富な社会経験、懐の深さから、経営者、投資家、コンサルタント、カウンセラー、コーチ、医師、作家、セミナー講師、会社員、主婦など、多くのクライアントから支持されている。

著書「先行きの不安から自由になる『お金と心の法則』」(フォレスト出版)

HP:https://fillz.biz

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