「ついつい自分を責めてしまう…」という癖、和らげてみませんか?

この記事の目次

はじめに

皆さんは、「ついつい自分を責めてしまう」と悩んでいたりしませんか。厳格さや責任感が求められるビジネス環境などに揉まれるうちに、「まだまだ自分は半人前だ」、「こんなんじゃ、ダメだ・・・」、「何をやっても、ミスがばかり・・・」などと、自分自身を責めるクセが染みついてしまった人は少なくないのかもしれません。

もちろん、自分を厳しく律して、日常を送ることはとても素晴らしいことです。しかし、その厳しさが度を超えて、自らを縛り付けてしまうものになれば、ストレスが溜まりやすく、自分自身のパフォーマンスを発揮することができなくなっていたり、さらには、職場だけでなく日常生活における妨げになっていたりする可能性があります。

今回は、自分自身を責めたり、追い詰めたりしてしまうクセを少しでも和らげるための行動について考えながら、心を楽にする方法についても視野を広げていければ幸いです。

自分を責めてしまう時って、どんな時?

そもそも、私たちはどんな時に自分を責めてしまうのでしょう。慢性的に自分自身を責め続けている人にとっては、振り返ると辛い内容かもしれませんが、どのような時に自分自身を責めるクセが出ているかを把握することは、心を少し楽にする方法としても有用ですので、試してみると良いでしょう。

誰かをきずつけたとき

ついつい相手に対して、ひどい発言をした時、何とも言えない“罪悪感”を感じることはないでしょうか。「あんなことしなければよかった」、「こんなこと言わなければよかった」という罪悪感を抱くと共に、自分を責めることはないでしょうか。

もしかしたら、心の優しい人ほど、こうした罪悪感に後々まで苦しんだ経験があるかもしれません。

自分の無力さを感じた時

自分の無力さを感じたとき、ついつい自分を責めてしまいがちではないでしょうか。仕事でミスをした時や、思うような評価を得られなかった時など、「どうして自分はこんなこともできないのだろう」と後悔をひきずってしまうことは、誰にでもあるかもしれません。

何もしていないことへの罪悪感

「仕事をさぼってしまった」、「後輩が悩んでいた時に何もしてあげる事ができなかった」など、やるべきだと思っていてもできなかった時に感じる“モヤっと”した感覚があるかと思います。この“モヤッと”した感覚の背景を考えると、自分自身が選択したことへの不安を感じている時といえるのかもしれません。

自分を追い詰めることのデメリットは?

自分自身を追い込んで仕事に打ち込んでいる人は少なくありません。こうした背景には、「常に責任を持って取り組むように」というような教育が“強く”影響している可能性がありそうです。振り返ってみて、いかがでしょうか。

一見すると、素晴らしいことのように感じるかもしれません。

しかし、実際は、自分自身を追い込み責め続けることで精神的なストレスが大きくなり、仕事や人間関係においてデメリットが生じている場合もあります。よく見かけるケースとして、2つのデメリットについてご紹介しましょう。

適応能力が下がっているかも?

自分を責めたり追い詰めたりするクセがありすぎると、新しい環境や不慣れな仕事に対する能力が低下してしまう場合があるようです。さらに、対応できない自分自身に対して強い不安感を感じやすくなることも少なくなく、やるべきことを先延ばしにして、不安を感じないようにする傾向もあるようです。

仕事や勉強、趣味等で、「今は忙しいから、まだ始めるべきではない」という判断や、「今初めても、きっと続かないだろうし」と思っているうちに、いつまでも挑戦するきっかけを逃しているかもしれません。

周囲にもストレスを与えているかも?

自分を責めたり追い詰めたりする人の中で、罪悪感を人一番感じやすい人がいます。そうした人の中には、自己犠牲的な振る舞いをしてしまう人も多いのかもしれません。しかし、こうした振る舞いは、時として周囲にも気を使わせてしまう場合もあるようです。

例えば、CさんがKさんを飲み会に誘った時に、「私がいたら盛り上がらないと思うから、みんなで楽しんできてっ♪」とKさんに言われたら、Cさんはどのように感じるでしょう。

自分を責めてしまう傾向の強いKさんとしては、本心からの配慮だったかもしれませんが、Cさんを含めた飲み会参加者は、「Kさんに気を使わせてしまって申し訳ない」という罪悪感や不快感を覚えるかもしれません。さらに、KさんとCさんの今後の関係性においても、影響が出そうな出来事になる可能性もあるのです。

とはいえ、実際には、Kさんのようにはっきりとモノを話す人ばかりではないと思います。しかし、似たような出来事が私たちの周りで起きている可能性があるかもしれません。

「私なんか…」や「私には…」といった、遠慮や謙遜は時として美徳のように扱われることもありますが、程度が過ぎることでお互いにとって良い面は何ひとつないと、注意しておく必要がありそうです。

自分を労り、心を和らげることで、責め心を緩める

自分を責めたり、追い詰めたりする気持ちが起こる背景には、「自分はこうあるべき」、「こうするべき」という理想と、目の前にある現実(結果)とのギャップが原因のひとつとして考えられます。

ですから、自分を責め過ぎてしまう癖を持っている人には、「不完全な自分」、「あるがままの自分」を受け入れることで、自分を責めて、追い詰めて傷つけることもなくなるのではないかと考えられます。

また一方で、自分自身が描く、「こうありたい」という理想像は、ちょっとしたことから崩れてしまう儚いもの…と考えることもできます。

例えば、自分なりに思い通りの理想の姿を見せられたと思っても、周りから思うような反応が得られず、失笑されてしまったとしたらどうでしょう。自分の掲げた理想は崩壊し、自信を喪失してしまうことにもなりかねません。

ですから、「理想の自分」はそれなりに追いつつも、同時に、手元にある等身大の自分を知って、自分をいたわる気持ちを持つことで、不安感や焦燥感を手放すように行動してみてはいかがでしょうか。

責めていることに気づく

自分を責めるクセがある人は、まず「自分自身を責めている」ということに気づくようにすることからはじめてみましょう。自分自身を責めている最中は、自分の間違いや出来ないことについて、粗探しの悪循環に陥っている傾向があります。

これを改善していくためには、「気づく」というプロセスが重要です。

気づくことで自分自身の心の様子を客観的に捉えることができ、その時点で自分を無意識に責めるという状況から抜け出すことができます。

さらに重要なのが、「気づく」だけでいいということです。現段階で、やめようとする必要はありません。

なぜなら、自分を責めていることを止めようとすることは、自分の感情のままの姿を否定することになり、自分自身を傷つけてしまう可能性があるからです。

ですから、現段階では、「気づく」ということだけに留めておくことが大切です。すると、自分の感情を否定することなく対応することもできるようになるでしょう。

自分を責めても良いと自分に言ってみる

自分を責める癖のある人は、自分を責めること自体も悪いことや恥ずかしいことと考えている傾向が強いせいか、さらに自分を追い詰めてしまうこともあるようです。

自分を責めるのを止めようとすることもまた、自分の気持ちを否定するのと同じだと触れてきましたが、自分を責めていることに気づいたら、次は、自分を責めている自分を「許す」ようにしてみてはいかがでしょうか。

どのような形で許しても良いと思いますが、「ああ、自分を責めているな…でも、責めてしまってもいいんだよ」などの言葉を心の中で、自分に言い聞かせてみたり、一人静かにいられるような場所で、声を出してみても効果的でしょう。

ちなみに、「そんな事もあるよね」といった具合でもOKです。状況や状態を肯定することがポイントです。

過去の後悔や失敗を許してみる

過去に失敗したことや間違えてしまったこと、その他に後悔や罪悪感を感じていることについて改めて自分自身を許してみるように努めてみてはいかがでしょうか。

心に引っかかっていることがある場合は、その出来事に対してもう一度違った捉え方ができないか考えてみることも効果的です。

例えば、「あの時、自分は行動せざるをえなかったのではないだろうか…」、「あの時、人に責められていたけど、自分の存在を否定する言葉ではなかったのではないだろうか」というように、語りかけながら紐解いていきます。

心にひっかかっている人に直接会って話すことも一つの手法ですが、自分の心の中でひとつひとつ解消していくだけでも十分な効果を感じることができるでしょう。

他人に対して言えなかった気持ちを表現してみる

他の人に対してもモヤモヤしている気持ちを表現するようにしてみてはいかがでしょう。今後のことに対しても同じことが言えますが、とくに過去の出来事に対して伝えられていないことを伝えていくことも大切です。

やり方としては自分に言い聞かせるのと同じように、自分の心の中に積もっている感情をそのまま表現してみます。腹が立ったことは腹がたったと伝えて、悲しかったことは悲しかった、謝りたかったことは「ごめんなさい」と表現してみるのです。

この時に、自分の目の前に相手の姿をイメージしたり、目の前に椅子や座布団を置いて相手の姿をイメージしたりすると効果的です。過去の出来事に対するモヤモヤがスッキリすると、自分を責める癖も少しずつ解消されていくことでしょう。

ノートに気持ちを書き出してみる

自分を責めていることに気づいた時には、声に出したり心の中でつぶやいてみたりすることの他に、ノートなどの紙に気持ちを書き出すことも大変効果があります。

ノートやメモに書き出すことは声に出すのと同じように外部に自分の気持ちを表現することと同様の意味があります。

それは、自分を責めて内面に閉じ込めている気持ちを少しでも吐き出すことにもつながります。

さいごに(責め心の背景と対策)

自分を責めるというクセは、幼いころの記憶や経験が深く関わっている可能性もあることから、すぐに解決・解消するのは困難かもしれません。

しかし、自分を責めることと上手に付き合っていきながら、すこしずつ改善することは可能です。大切なことは自分を責めたり追い詰めたりすることをダメなことと捉える必要はないという点です。

責めたり追い詰めたりする行為そのものは、程度を越さなければ自己成長するために必要な要素でもあります。しかし、程度を超えてしまうと一気に自分の首を絞めてしまう可能性があるので注意が必要です。

心を和らげる方法として5つの方法を紹介してきましたが、心を和らげる方法はまだまだあります。自分に適したモノを試しながら、物事を多面的に見るクセを身につけ、言いたいことや言えていなかったこと、謝りたかったことなどがあれば、ひとつずつ解消してみてはいかがでしょう。

責め心を、ひとつ、ひとつ解消するとともに、自分を縛り付けていたモノが外れていくような感覚を得られるようになると、色々な場所で自分自身の個性を発揮させることにつながっていくことでしょう。

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この記事を書いた人

1980年11月、千葉県生まれ。

1999年4月、建築設備業(空調設備・給排水衛生設備・修理、保守管理)の会社に入社。在籍中は、現場監督・営業職・社内経理等を担当。専門技術者として経験を積む。

2010年4月、民間の社会教育団体に入所。前職の経験を活かしつつ、”心の働かせ方”について学ぶ。さらに、「心の働かせ方・考え方」に関するセミナーを全国約1,200会場、講師として経験する。同時に、企業向け情報誌の執筆や経営者を対象に心の経営指導にも従事した。

2017年6月、これまでの経験を活かしつつ、多くの方々と共に”心”の勉強をしていく為の場所として「NextStage(ネクストステージ)」を立ち上げる。現在の活動拠点は、神奈川県三浦市、千葉県南房総市、熊本県菊池郡に置いている。また拠点に関わらず、連絡を受ければ全国何処にでも行動する瞬発力をもって、活動展開をしている。

HP:https://nextstage-iida.amebaownd.com

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