一悟術

”病気”って、なんだろう? 

病気にかかった場合、「全快するためにはどうしたらいいだろうか」ということを考えて、医師の診断を受けて治療に専念することは当たり前のことかもしれません。しかし、医師の診断と治療だけでなく、その病に立ち向かう私たちの心の姿勢が最も大切な要素となるのではないでしょうか。

何故ならば、医師の診断と治療は、病気を治すための手助けをしてくれるに過ぎす、病気を治す根本は「自分自身が治す」といった心持ちが何よりも大切になるためです。今回は、病気の受け取り方について考えてみたいと思います。

 

はじめに

西欧における医学の祖といえば、古代ギリシアのヒポクラテスでしょう。彼は数多くの医学書を著しましたが、その中に「心を別として身体を直そうとしてはならない」という箴言があります。

しかしながら、時代の変遷とともに“心と身体を別物に考えてはならない”という箴言がうすれていき、近代医学では病因の究明に向かって、病巣は病巣、心は心と別々に扱うようになっていきます。

現代の病をみつめてみるとどうでしょうか。例えばインフルエンザが流行している時、何度もかかってしまう人もいれば全くかからない人もいるようです。さて、どこにその違いがあるのでしょうか。

一概にはいえないかもしれませんが、病の原因をとことん追求していくと、どうしても本人の生活態度や心の状態を観る場面がやってきます。

昔から「病は気から」と云われていますが、近年になって心と身体の相関関係を説く「ホリステック医学」(人間を「身体・心・気・霊性」等の有機的総合体を捉え、自然治癒力を高め、増強することを治療の基本とする医学)が、耳目を集めるようになってきました。また、笑うことが、ウィルスやがんの治療に効果があるナチュラルキラー(NH細菌)という免疫細胞を活性化させるという研究結果も報告されています。

こうしたことから、「心と身体は密接に繋がっている」ということに考えいたるのではないでしょうか。また、病気までは至らずともちょっとした“心の変化”による“身体の変化”を感じたことがある方もいるかもしれません。

 

「何か心配事があると顔が曇り、なかなか寝付けなくなる」

「腹を立てれば、顔が赤くなる」

「子供が受験に合格したなどの嬉しいことがあると、顔が輝き、声質も変わる」

等々

 

このように、心と身体は切っても切れない深いつながりがあります。ですから、痛みや熱、息苦しさなどの何かしら身体に異常が現れるというのは、自分自身の身体から発信される警告信号として受け取ることができるでしょう。

そうした時には、一旦立ち止まって、自分自身の心の状態を振り返り、身体の異常をしっかりと受け取ることが大切になります。

 

1、病気に対する常識を改めよう

病気と死について考えてみると、必ずしも因果関係が成り立つとは限りません。それは、病気をする人が必ず死ぬものでもなく、死は必ず病気からくるものではないと言えるからです。

“死”というものは、生命のなくなった状態を表し、病気は生命が生き延びようとして努力している状態ととらえることができます。このことから、病気にかかったとしても「生命が生き延びよう」と努力しているとの信念が確立していれば、恐れたり、不安に感じたり、憂えることは起こらないと言えるでしょう。

 

2、発熱、痛みは生命の戦い

病気を患うことで現れる熱・咳・痰や、痛みや痒みなどは、肉体が元の健康な状態に戻そうとしている働きであり、生命を生き延びようとする戦いが繰り広げられているといえるのではないでしょうか。実際に、発熱は白血球が病原体と戦って生じる生体防御反応であることがわかっています。

一般的には、発熱や痛みが出てくると、益々悪くなるのではないかという不安に駆られて処置を重ねていきがちです。しかし、こうしたことが実は錯覚であるケースが多くあります。発熱や痛み等は、肉体を元の健康な身体へ戻そうとして、精一杯努力している反応のひとつといえます。むしろそうした生理上、自然に行われている働きに感謝すべきなのかもしれません。

自然治癒力という働きは、こうした働きのことをいい、そうした力が強いか弱いかによって、全快するスピードに影響が現れたりすることから、ひとつのポイントとなります。

 

3、肉体を変化させる力

私たちは、突然の病に一夜にしてかかってしまうことがあります。いや、場合によっては一晩どころか、一瞬のうちに患ってしまうこともあるでしょう。しかし、状況によっては逆に一晩や一瞬で直ったという声を聞くこともあるので人間の身体というのは不思議なものです。

心配事や不愉快なことがあったりすると、病気になりやすかったり、病気が重くなったりすることから「病は気から」という諺をよく耳にすることがあるでしょう。ですから、気持ちを明るく持ち、無益な心配はしない方が、病気にかかりにくかったり、病気が治りやすかったりするのです。

こうした先人が残した言葉は、「心配は身の毒」や、「万の病は心から」などと残されているように、心を改めることに力を注いでいきたいものです。では、どのように心を改め、信じたら良いのでしょう。

大切なことは、病気という肉体を悪化させる力は、人間の力ではないということを掴んでおくことです。その力は偉大な自然の力であり、目には観ることができない不思議な力かもしれませんが、自分が病気になろうと決意して患うものではないことからわかるように、“病”というものを通して私たちに何かを知らせてくれていると受け取るのが自然でしょう。

つまり、元の健康体に戻すために、肉体を変化させる力は、自分自身が目に見えない不思議な力を信じ、どのように受け止めるのかが大切になります。

 

4、病気の自分を客観する

肉体の苦痛は、魂がその肉体にへばりついているから痛いと感じます。早期に外に出して、じっと客観視してみると痛さを感じなくなるばかりか、心地よい感覚を味わうこともできるようです。

こうしたことは、病気にかかり痛みを感じる時の心得として教えられることが多くあります。さらに、意味がわかると“痛みはあっても苦痛ではなくなる”感覚をいいます。

こうした感覚を体得するためには「客観視する」ことは絶対条件になってくることでしょう。客観とは、痛みにとらわれ、その痛みの渦中から抜け出そうとするのではなく、痛みに対して苦痛を感じている小心者の自分を、外部から自分を傍観することをいいます。

すると肉体の生理的な痛みと、精神的な苦痛は別物であることがわかると同時に、心が明るく転換していくでしょう。

 

5、病気を恐れない

病気に限らず、物事すべてに対して「気負い」をすると一向に良い方向に転換させるのは難しいと考えたほうがいいでしょう。とくに病気の場合には、心構えをしっかりと持つことが求められるでしょう。

一方で“気負い”をもって物事に相対している方々には、その物事や病気に振り回されて一喜一憂している人が非常に多くいることが多いでしょう。こうした心持ちでは、治療や療養に月日を費やしても回復することが困難です。

「昔から敵を恐れて、敵に勝つ」というようなことは聞いたことがありません。だからといって、物質や金銭的に勝つという意味ではありませんし、技術や手順の問題でもなく、「鋼のような強靭な意志(心意)」を持つことが大切なのです。

 

最後に

心と身体は密接に繋がっているので、心の状態を“自然な状態”に保つことが身体も健康になると考えることができるでしょう。日常の生活の中で「心を自然な状態」に保つことは難しいことのように捉えがちですが、具体的にはどのような状態をいうのでしょうか。

例えば、子供が危険な行為をしたにも関わらず、怒らずにじっと我慢していては“不自然な状態”と言えるでしょう。怒るときは毅然と怒るというのが“自然な状態”と言えるでしょう。

社会生活のなかでも「どう考えても守ることのできない案件」であるのに、「わかりました」と受けてしまうことで、ついには約束を破ってしまうこともあるようです。《守れない》と感じたら、「それはできません」とはっきりと伝えることが大切になるのです。

こうしたことを突き詰めていくと、“わがまま勝手な生活”を推奨しているかのように捉えがちですが、それは間違いです。目指すべきは「明るく喜びのある生活をして、無理に感情を抑えないこと」が大切になるのです。

ここまで進めてくると「自然な心」を保つことで「健康な身体」が備わるから、病院は必要ないと考えてしまう方もいるかもしれませんが、決して医学や治療を否定している訳ではありません。

身体に異常を覚えたら、直ちに病院に行って検査を受け、適切な治療を受けることはとても大切なことです。もちろん、食生活等の生活習慣や適度な運動を心がけることも必要となってくることでしょう。

しかし、病が治癒に至るには、薬の投薬や外科的手術だけでなく、自分自身の中にある生命力・自然治癒力が発揮されて、治癒に至るのです。

病気は、心の状態を教えてくれるひとつの現象です。自分自身に内在する生命力・自然治癒力を最大限発揮するためにも、病気の原因を正しく認識していきましょう。認識が深まっていくことで、徐々に病に対する恐れや不安がなくなり、診療や薬の効きめも大いに発揮されていくことでしょう。

私たちは、病気をマイナス要素として受け止めることから、未だに解放されていません。「心を別として身体を直そうとしてはならない」という箴言を残した古代ギリシアのヒポクラテスの言葉から、心と身体が相関関係にあることを意識して、自分自身の心の状態をじっくりと観ていくことから、病気の受け止め方を変革させてみてはいかがでしょうか。

記事監修:医学博士 木ノ本景子

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