一悟術

地球の歴史 オルドビス紀―進化の末の大量絶滅、波乱の時代― 

古生代の前期、カンブリア紀に続くオルドビス紀。

カンブリア紀なみに生物の多様化が進み、後期には顎を持つ魚類が誕生したこの時代。

順調に生物の進化が進んでいるように見えたこの時代の末に、最初の大量絶滅が起こっています。

なぜ大量絶滅が起こったのか、その原因については未だ謎に包まれたままです。

しかし、昨年になってオルドビス紀末大量絶滅の地層から水銀の凝集が見つかるなど徐々にその解明の糸口が見えてきています。

生物の進化に始まり、大量絶滅で幕を閉じた、波乱に満ちたオルドビス紀についてみていきましょう。

 

オルドビス紀の概要

オルドビス紀の概要

オルドビス紀は、古生代前期における区分で、カンブリア紀に続く約4億8830万年前~約4億4370万円前までを指します。

グレートブリテン島の南西に位置するウェールズには、当時の特徴的な地層が広がっており、そのウェールズの勇猛なケルト人部族である「オルドウィケス族」からオルドビスという名前つけられました。

 

オルドビス紀の時代区分

オルドビス紀は、更に7つの時代に分けられています。

 

ヒルナント期:4億4370万年 – 4億4560万年前

ケイテイ期:4億4560万年 – 4億5580万年前

サンドビ期:4億5580万年 – 4億6090万年前

ダリウィル期:4億6090万年 – 4億6810万年前

ダーピン期:4億6810万年 – 4億7180万年前

フロー期:4億7180万年 – 4億7860万年前

トレマドック期:4億7860万年 – 4億8830万年前

 

ヒルナント期、ケイテイ期、サンドビ期が新世、ダリウィル期とダーピン期が中世、フロー期とトレマドック期が古世にあたります。

 

オルドビス紀の環境

オルドビス紀の始めの気候はとても温暖で、海水準が全般的に高く、現代よりもなんと100m~225mも高かったと考えられています。

ところが、オルドビス紀半ばからしだいに気温が下がっていき、この紀の終わりごろになると氷河期が訪れ、アフリカや南アメリカなど南半球の大陸に巨大な氷床が覆っていたとされています。ちなみに、氷床とは地表部を覆う総面積5万km2以上の氷塊の集合体です。

この急激な地球の冷却は、異常な速さで起こったプレート運動が引き金になったのではないかと考えられています。このことにより海面は70mも下がり浅海は消滅してしまいました。

 

オルドビス紀の大陸と海洋

オルドビス紀の大陸と海洋

当時は、ロレンシア大陸、バルチカ大陸、アバロニア大陸、シベリア大陸、カザフスタニア、ゴンドワナ大陸という6つの大陸とパンサラッサ海、イアベタス海がありました。

そして、約4400万年続いたオルドビス紀ですが、この間に大陸移動が起こっています。

 

ゴンドアナ大陸の移動

ゴンドアナ大陸の移動

現在の南アメリカ、アフリカ、南極、オーストラリア、インドなどを含む巨大な大陸であったゴンドアナ大陸は、この時期には南極方向に移動していきました。

そして、つい最近まで、このゴンドアナ大陸の南極への移動が大量絶滅の原因となる地球冷却を起こしたとされていました。

というのも大陸付近の地域では夏になっても温度が上がりにくいという状況がおきてきます。
そのため、他の地域と比べるともともと気温が低かった南極付近が、大陸の移動によっていっそう気温が下がりやすい状態になってしまいました。

さらに海岸地域特有の高湿度が水河の成長に拍車をかけ、地球軌道のミランコビッチ周期変動に起因する冷夏のあいだに一気に地球冷却が進み、氷河が発達した可能性が大きいというのが今までの仮説でした。

ちなみに、ミランコビッチ周期とは、地球の公転軌道の離心率の周期的 変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量 が変動する周期のことです。

このモデルから大陸が極から800 km 以内のときは、夏の温度は氷点下近くになって氷河が誕生したと推定されていました。

 

ところが、昨年になってオルドビス紀末の地層に大火山の噴火を推察させるような大量の水銀の凝集があることが分かりました。

大火山噴火では、成層圏に放出された大量のSO2ガスが硫酸となり地球を覆い、太陽光を反射することで、地球規模の寒冷化が起きます。つまり、大火山の噴火が地球冷却を起こした原因ではないかと推察されるわけです。

そのため、地球冷却の要因が、ゴンドアナ大陸の移動なのか、火山噴火なのか、両者の関係性はあるのか、などなど今後の検討していく必要が出てました。

 

その他の大陸

その他の大陸

いっぽう、ロレンシア、バルチカ、アバロニア、シベリアの四大陸は造山活動(大山脈や弧状列島を形成するような 地殻変動)が活発になるとともに、互いに接近し、イアベタス海が小さくなっていきました。

 

ちなみに、ロレンシア大陸は現在のグリーンランドを含む北アメリカにあたる大陸バルチカ大陸は現在の北ヨーロッパにあたる大陸アバロニア大陸は現在のヨーロッパの一部にあたる小規模な大陸シベリア大陸は現在のシベリア地域にあたる大陸です。

そして、イアベタス海は、ロレンシア大陸とバルチカ大陸の間にある海洋で、現在の大西洋にあたり、「古大西洋」とも呼ばれています。

イアベタス海と各大陸のプレートの境には、ちょうど日本のような孤状列島ができていたと思われます。

 

パンサラッサ海は、この時代では北半球のほぼすべてを覆うほどの広大な海洋でした。現在の太平洋にあたるため、「古太平洋」とも呼ばれています。ちなみに、パンサラッサとはギリシャ語で「すべての海」 という意味だそうです。

 

カザフスタニアは、現在の中央アジアにあるカザフスタンにあたります。

主に古生代初期に形成された火山性の島弧(とうこ)や台地が、寄せ集められたものであろうと信じられています。ちなみに、島弧とは弓なりに連なった火山列島でできた大陸のことをいいます。実は、日本列島も島弧の1つです。

オルドビス紀にこれらの島弧や台地は合体して、独立した小さな大陸が形成されていたといわれています。

 

島弧と大陸形成

島弧と大陸形成

島弧は別の島弧とぶつかると合体し、新しいマグマができて、大陸が速くつくられます。そのため島弧は大陸の成長に重要だと考えられていますが、その実態はまだ分かってはいません。

その解決のカギを握る場所が日本にあります。

そこは、島弧の合体が現在も起きている世界唯一の場所といわれている伊豆・小笠原弧および伊豆衝突帯です。

この場所は、地球創成期に起こった大陸地殻の形成過程と、島弧同士の衝突によって大陸が成長していく過程を同時に研究できる、貴重な研究フィールドです。その中でも地表に露出している丹沢複合深成岩体は大陸地殻成長過程を解明する上で重要になってきます。

 

オルドビス紀の生物

オルドビス紀の生物

オルドビス紀は、カンブリア紀よりもさらに生物の多様化が進んだ時代です。

依然として海で生活する生物が主体ではあったものの、この時代の動物群はその前のカンブリア紀とは、かなり異なっています。

この時代の海洋生物は500科4500属程度いたことが分かっています。つまり、顕生代全体の12%が、この時代に生きていたことになります。

 

この時代を代表する動物がオウムガイなどの軟体動物です。

オウムガイの一種であるシノセラスやリチュイテス、チョッカクガイの一種であるエンドセラスやカメロケラスなどという生物がいました。

エンドセラスは30センチほどですが、大きいものになると殻の長さが7メートルに及んでいたとされていますが、それを上回っていたのがカメロケラスです。体長は約11メートルもありました。

他にも、ウミサソリや三葉虫のような節足動物、筆石(フデイシ)のような半索動物が栄えました。

 

また、オルドビス紀後期になると顎を持つ魚類が登場してきます。

顎ができるためには、関節が必要です。実際、顎のない動物は関節自体がないそうです。硬い骨を持った生物が生息するためには、当然、関節が必要になるわけですから、この顎がある動物が出現したということは生物の進化にとっては大きな一歩といえます。

 

そして、この時代のもう一つの重要な進化の1つが陸で生活する動物が現れたことです。

オルドビス紀後期の地表は、ラン色素細菌、真核藻類、地衣類(ちいるい)に覆われ、これを食べる動物がいたとされています。その存在を裏付けるように、当時の土壌から幅3~16mmほどの深い穴が多数見つかっています。

ちなみに、地衣類とは菌類(主に子嚢菌類)のうちで、藻類(シアノバクテリアあるいは緑藻)を共生させることで自活できるようになったもののことをいいます。

 

オルドビス紀末の大量絶滅

オルドビス紀末の大量絶滅

こうして生物が進化・多様化したオルドビス紀ですが、顕生代の5大量絶滅事変の1つに数えられる大量絶滅により、その終焉を迎えました。

このオルドビス紀末の絶滅は、絶滅した属の割合で見ればペルム紀末の大量絶滅に次ぐ大規模なもので、海生多細胞生物の科の22%、属の49%が絶滅し、腕足類、コケムシ類も大打撃を受けました。

この大量絶滅の原因ははっきりしていませんが、絶滅が、氷床の発達に伴う海水準の低下時及び氷河の消滅に伴う海水準の上昇時の2回確認されていることからその因果関係が考えられています。

 

まとめ

生物の進化・多様化に始まり、大量絶滅で幕を閉じたオルドビス紀についてまとめてみました。生物の進化の過程や大量絶滅の原因など未だ謎に包まれていることも多く、技術の進歩に伴い、最近になってようやく分かってきたこともあるのが現状です。

今後の発見次第によっては、常識が覆されるということが起こるかもしれません。

木ノ本景子

研修医期間終了後、神経内科医として主に急性期病院にて13年間勤務。
3年間の回復期病棟での勤務を経て、平成24年より在宅医療に従事している。

多くの患者さんにかかわる中で、より健康であるためには、病気にだけフォーカスをあてるのでは不十分なのではないかと実感し、医療の分野以外にも学んでいる。

高齢になっても若々しく元気な方たちの特徴から、自分らしく生きることが重要性を感じ、そのためのツールとして脳と心についての情報をフェイスブックページやホームページを通じて発信している。

一悟術リーディング3級、日本内科学会 内科認定医、日本神経学会 神経内科専門医、医学博士、日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー、感情カウンセラー協会認定 感情カウンセラー、リズ・ブルボーのからだの声を聞きなさいスクール カウンセラーコース終了、NLPプラクティショナー、著書に『脳の取扱説明書』(みらいパブリッシング)

HP:https://hetero-clinic.com/
HP:http://www.harmonista.org/
HP:https://harmonista.jp/

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