あなたが幸せになる一番確実な方法こそ「自分を高めること」である理由

「自分の幸せっていったいなんだろう」

「これまで追いかけてきたものって一体なんだったのだろう」

今年はじめから世界を襲った新型コロナウィルスで、そんなふうに問いかける人が増えているようです。

電車に乗って通勤し、オフィスで仕事をし、アフターファイブには仲のいい友人とお酒を飲みながら楽しい時間を過ごす。

週末は美術館や自然の豊かな場所に行って癒されたり、好きなアーティストのコンサートで一体感を感じたりしてウィークデーのストレスを発散する。

そんな当たり前と思っていた生活はあっけなく失われました。

いつまでも変わらないと思っていたものがなくなり、幸せの前提が揺らいでいるのかもしれません。

でも、それって見方を変えれば、実はチャンスだったりします。

より自分が心から求めていた幸せに近づくことができるかもしれないからです。

幸せになるために一番確実な方法について考えてみました。

 

この記事の目次

1.米ハーバード大の研究による幸せの要件

米国のハーバード大学で続いている有名な研究があります。

「幸せな人生」をテーマに、700人以上の男性を80年近くにわたって調査し続けた研究です。

調査の責任者は現在4代目だそうで、調査の方法も書類だけでなく、自宅のリビングでインタビューしたり、妻や子供の話を聞いたり、医療データの開示を受けたり、様々な角度から客観性を確保しつつ行われた緻密なものです。

その結果わかったことは、幸せで健康的な晩年を迎えるのに、お金や名声や仕事の業績は関係がないということです。

そうではなく、素晴らしい人生と強い相関関係があったのは、温かい人間関係でした。

遡って調べたところ、50歳の時に最も幸せな人間関係にいた人が80歳になっても一番健康だったのでした。

それも友人の数や配偶者がいるかといった表面的なことではありません。

心から信頼し合えたり、困った時に頼れたりといった深いレベルでの結び付きが大切とのことでした。

孤独を感じている人は、早く老化し、健康を害したり、脳の記憶力が衰えたりするのも早いそうです。

当たり前ですが、豊かな人間関係は一朝一夕に得られるものではありません。

幸せになりたいなら人生で何を指針にするのがいいのか、この調査はその答えを明確に示しているでしょう。

ハーバード大学の研究に関わるTED動画

 

2.よい人間関係を築くためにできる3つのこと

それなら、良好な人間関係を築くにはどうすればいいでしょう。

細かなノウハウ的なものはさておき、私は大きな指針として次の3つを挙げたいと思います。

(1)人生の価値観

一番目は、人生における自分の価値観です。

つまり、人生で何を大事にしているかということです。

上記のTED講演によると、現代の米国の若者が人生で最も大切にしているもの、80%以上が富、その50%が有名になることと答えたそうです。

有名になることとはアメリカ人らしいですが、地位や肩書きと捉えれば、多くの日本人も同じようなものでしょう。

しかし、ハーバードの調査は、その考えが誤りであることをはっきり示しています。

人生で優先するものを決定する価値観を明確にしておくことは、非常に大事なことです。

(2)人生の選択

価値観が決まったら、実際にそれを活かすのが、選択することです。

時間、エネルギー、お金など人生の資源は有限です。

単なる暇つぶしや憂さ晴らしにそれらを浪費するのか、実りある人間関係に投資するのか。

それらを長い期間積み重ねた時に生まれる効果の差は、きっと驚くほどのものとなるでしょう。

(3)付き合いたい相手を真似る

三番目の指針は、自分が付き合いたいと思う相手を真似ることです。

あなたはどんな人と付き合いたいでしょうか?

前向きに考えて言葉を発する人でしょうか、いつも相手に感謝する人でしょうか、相手に対して興味を持ち長所に目を向ける人でしょうか。

たしかに、どれも素晴らしい性質ですね。

自分の周りによい人間関係を築くには、自分がいいなと思う人をお手本にし、真似るのが間違いのない方法です。

 

3.うまくいかない理由

とはいえ、いつの時代も人々の悩みの筆頭にくるのが人間関係です。

よい人間関係を望みつつも、それが叶わず、かえって悩みとなってしまっている人が多い証拠でしょう。

コロナで外出自粛が要請された今年4月の日本の自殺者は、前年比20%減少したそうです。

会社や学校に行かなくていいことがそれだけの人を救ったとしたら、裏を返せば、会社や学校でどれだけ多くの人が多大なストレスを受けているかを示しているように思います。

 

多くの人にとって、人間関係は悩みの種であり、良好な人間関係を手に入れるのは容易ではない。

それは、現代人の指向からもうかがえます。

具体的に現代に生きる人は、「手っ取り早く、簡単で、楽に、快適になれるもの」が大好きです。

でも、残念ながら人間関係はこれとは真逆なのです。

つまり、人間関係は単純ではありません。

たとえば、人の心は通り一遍ではなく、自分で思っていることですら、無意識では違うことを考えていたりします。

そして、時間の経過とともにたやすく移り変わるものです。

これが自分だけでなく、相手のある話であり、周囲の第三者という要素も絡んでくるわけです。

そもそも相手の気持ちなんかわかりませんしね。

だから、家族や友達との関係をうまく維持していくのは至難の業なのです。

注意して言葉をかけたり、行動で気持ちを表したり、お互いの気持ちを確かめ合ったり。

関係性を育てるための地道な努力はとても地味なものです。

その上、一度関係が築ければそれでOKというものではなく、常にメンテナンスを必要とします。

言ってみれば、その努力は死ぬまで続きます。

ですから、3つの指針を掲げたとしても、「手っ取り早く、簡単で、楽に」をあきらめないうちは、よい人間関係を望むことは不可能なのです。

 

4.よい人間関係を築く最強の方法とは

前項のとおり、よい人間関係を築くのに近道はないということです。

どうせ近道がないんだったら、その前提で最強の方法を教えましょう。

それは、よい人間関係を築くには素晴らしい人と付き合えばいい、そして、素晴らしい人と付き合いたいなら自分が素晴らしい人になることです。

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前段は説明しなくともわかりますよね。

人としてどうしようもない人とは、よい人間関係を築くことは困難です。

たとえば約束は破る、平気で嘘をつく、相手の傷つくことを言って憚らない。

こんな人といい関係でいようとするのは、穴の開いた桶に水を注ぐようなものです。

誰だって、心から信頼できる人、一緒にいて安心できる人、ありのままの自分を受け止めてくれる人と付き合いたいはずです。

付き合うほどに互いの信頼が積み重なり、人間関係は素晴らしいものになっていきます。

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そして、後段もまた当然ではないでしょうか。

素晴らしい人は自分を大切にする人であり、自分が心地よい人と一緒にいたいと思うものです。

人格的に素晴らしい人と付き合おうと、小細工を弄するのは得策ではありません。

そういう人は人を見る目も肥えていますから、すぐに見抜かれてしまいます。

その点、間違いないのは、自分が多くの人から付き合いたいと思われる人になることです。

そのためには、内面的成長や人徳、人格の向上を人生の中心に据えることです。

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このよう考えてくると、幸せになる一番の方法とは、良好な人間関係を築くことであり、そのためには自分がすぐれた人格の人間になることです。

おやおや、ずいぶん当たり前に思える結論が出てきましたね。

ハーバード大学は膨大な時間と労力をかけて調査したわけですが、結論はしごく当然のことになってしまいました。

 

5.まとめ〜日本人が大切にしてきた原点に立ち戻ろう〜

とはいえ、人格を高めることが大切だとわかってはいても、実行するのは簡単ではありませんね。

仕事が終わったら、家で静かに心を養う本を読むより、ストレス発散のためつい飲みに行きたくなってしまう。

地道にコツコツ努力しようと思っていても、人前で要領良く調子よく振舞う人が評価されるのを見ると、萎えてしまう。

いつも笑顔で人には親切でいたいと思いながら、つい意地悪なことを言ったり考えたりしてしまう。

どれも、ありがちですよね。

そして、人間として高まっていくことが人生で大切なのが多くの日本人にとっては当たり前でも、外国ではそうではありません。

自分が間違っているとわかっていても、声高に自分が正しいと主張するなど朝飯前。

嘘をついて騙したり、人を陥れてでも自分が得をしようというのも、ごく普通のことです。

もちろん外国人でもそうでない人もいるし、日本人でもそういう人もいますので、あくまで多数派の話と考えてください。

これは別に偏見ではなく、ベースになっている世界観から当然導かれる現象であり、彼らにとっては自分たちの態度は理に適っていることなのです。

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そういうわけで、現代の日本では、長い間受け継がれてきた社会の基本的な価値観が揺らぎ、混乱が生じているのです。

うかうかしていていい人でいたら、それこそやられっぱなしになるといった危機感はとても共感できます。

しかし、低次元の争いに身を投じれば、自らもまた同じレベルに同調し、待っているのは修羅の荒んだ人生です。

世の中が複雑になり、さらにはコロナのような不安要素が加わり、先行きが見えないときこそ、原点に戻るべきです。

それはいうまでもなく、「人として高まることこそ、人生で一番大切なこと」という古くからの日本人の価値観です。

ハーバードの研究はその考え方の正しさを証明するものとして、ありがたく活用させてもらいましょう。

すべてを完璧にする必要はありません。

まずは、どう生きるかを自分で決めることです。

そこから道は開けます。

たとえばこのサイトに書かれているようなことを学び、小さな一歩を積み重ねるようにしてみてください。

その努力はきっとあなた自身を裏切らないと保証します。

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この記事を書いた人

京都市出身。
京都大学法学部卒業。
大学卒業後、現在のメガバンクに入社、26年間勤務。

ビジネスの現場で産業調査や大企業の事業再生、富裕層取引等を担当、多くの企業経営者、富裕層顧客と接する中で、世の中の流れ、リーダーシップ、お金の本質等について考察を深める。

少年期より「人はなんのために生きるのか」「人はどこから来てどこへ行くのか」を自らに問いかけてきた。バブル世代でいったんは世の中の価値観に染まるが、会社オンリーの人生に生きる意味を見失って挫折を味わう。

魂が震える生き方を追求する中でエネルギーヒーリングに出会い、自身や周りの体験から、自己成長の最高のツールという確信に至り、独立起業を果たし、誰もが物心共に幸せになれる方法として「悟りを目指す生き方」を伝えている。

豊富な社会経験、懐の深さから、経営者、投資家、コンサルタント、カウンセラー、コーチ、医師、作家、セミナー講師、会社員、主婦など、多くのクライアントから支持されている。

著書「先行きの不安から自由になる『お金と心の法則』」(フォレスト出版)

HP:https://fillz.biz

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