人生で行き詰った時のチェックリスト

仕事が思うように進まない、恋愛でドツボにはまる、子供ともうどう接していいかわからない、パートナーとの関係が冷え切ってしまった、生きる意味がわからなくなった、…等、人生生きてるといろんなことがあります。

八方塞がり、無力感、孤独、何を目指していいかわからない……

前へ進もうとすればするほど、乗り越えるものが増えるようで疲弊します。
じゃぁ痛い目にあわないようにしよう、と無難に生きると窮屈で退屈で、これまた苦しい。

「い〜っ!」
「ぎゃぁ〜〜!」
と叫びたくなるときあります。

そんなとき、まずは叫びましょう(笑)。

クルマの中、そしてカラオケボックスで。
(叫んだことがない?じゃあ、なおさら!)

 

そして少しスッキリしたら&少し落ち着いたら、
以下のチェックリストをご覧ください。

そして行き詰まりから抜けだしましょう。

さぁ、どうぞ。

この記事の目次

1.現状を受け入れる (行き詰まっていることを認める)

ここでは、ある例を挙げてそれぞれをたどってみましょう。
登場人物は30代の女性です。仮にAさんとします。

Aさんには彼氏がいますが、その彼はしょっちゅう同僚や街ですれ違う他人への不満をこぼします。
Aさん自身に矛先が向かうことはないですが、どうも嫌な気分になります。

また彼氏はしばしば落ち込んで、Aさんに慰められたがっているようにみえます。
これにもまたAさんはイライラします。

普段は優しく気遣いもあるし、頼りになる彼。仕事もどちらかと言うとバリバリやってのける方。
自分のことを好きでいてくれるのはわかるし、Aさんもネガティブな面を除けば彼のことが好きでした。
だから関係は続けたいし、「悪くない関係だよね」と自分に言い聞かせていました。

そのためこれまでは、嫌な気分になることがあっても、話題を変えたり、別のことを始めて気を紛らわせながら、本音から目をそらしていたのでした。

彼のことを嫌いと感じるのも嫌だったし、嫌いと感じてしまう人と付き合ってるということも嫌だったからです。

 

しかし、決して治らない彼のネガティブな物言い。
だんだんと彼といるとエネルギーを吸い取られている気分になって、やり場のないイライラを抱えるようになってしまいました。
一緒にいても楽しくないし、心を閉ざすことも増えて、いわゆる「冷え切った関係」に突入してしまったのでした。

よくある話といえばよくある話かもしれません。
たいていは、「熱が冷めたらこんなものよね」と半ば諦めたまま付き合うか、または関係を終わりにして次の人を探しに走るのかもしれません。

けれども、Aさんはこれまでの経験から、このまま次を探しても同じことの繰り返しになるだろうと気づいたので、どうしたらいいか相談に来ました。

「相談に来る」時点で、ある程度は行き詰まりを感じられていたAさんですが、そうは言っても「行き詰まっている」ことを直視するのは容易ではありませんでした。

まずは彼に対して、好きな気持ちもあるけれど、「嫌ってもいる」こと。
関係を維持したいがために彼を「嫌う気持ち」を押さえ込んで、それが相当溜まっていること。爆発しそうなくらいに膨らんでいることを認めるところから始めました。

このときのAさんは、
彼のことが、大嫌いで憎んでて一緒にいたくなくて、でも一緒にいたくて、一人きりにもなりたくなくて、そんな自分がわけわからなくて、自分自身にもイライラするようになっている。
そんな「どうしていいかわからない行き詰った状況」でした。

まずはその現状を受け入れるところからスタートします。

 

2.改善ポイントを見つける

現状、すなわち、「わたしは行き詰まっている」ことを受け入れるのが最初の大きな一歩です。

人は案外「自分が行き詰まっている」とは認めたくないものです。
弱い感じがするからでしょうか、何かに負けた気がするからでしょうか。能力不足を指摘された気分になるからでしょうか。
ともあれ、案外抵抗の出るところです。

しかし、行き詰まってることを認めない限り、そこから脱出できないのでここは避けて通れません。
最初の関門ですね。

その最初の関門を抜けたら次は、「わたしはどこでスタック(行き詰まり)しているのか?」
改善ポイントを見つけます。

Aさんの場合であれば、ポイントは、

* 男のくせに対策もたてずに不平不満をいい続けたり、メソメソと愚痴をこぼすのが許せない
* 彼を嫌ったり憎んだりする自分が許せない

というところでした。

話を聞いていくうちに、

* そもそも人が批判されるのを聞くのが嫌
* 「自分にはできない…」という台詞を聞くとエネルギーを吸われる気がする、落ち込む

ということもわかってきました。

 

3.現実的な改善策を見つけて、継続的に実践する(継続は力なり)

どこでスタックしているかがわかったら、次は改善策を探しましょう。

まずはざっと感覚的に改善案を挙げてみます。

* 対案を出さずに文句や不平不満を言う人を許容する
* 男性がメソメソと愚痴をこぼすのを許す
* (自分が)パートナーの行動を嫌ってもかまわない、と受け入れる
* (自分が)パートナーの行動を憎んでもかまわない、と受け入れる
* 批判は攻撃ではなく意見表明だと捉え直す
* 批判が自分の無価値感を刺激するのを許す
* 気持ちが落ち込むのを許容する

全部やるのは非現実的なので、まずはどれか一つを選びます。
たいていひとつ改善されると他のいくつかも改善していることが多いものです。
このうち一番抵抗なくやれそうなものはどれか?と探します。
どれも抵抗が出そうな場合は、その中で最もマシなものを選びましょう。

改善ポイントの発見や改善策を探るのは、できるだけリラックスできる環境で行いましょう。
自分で探るのは難しい場合も多いので、その場合は頼りにしている友人や先輩、信頼のおけるカウンセラーなどの専門家に相談するといいでしょう。

Aさんの場合は、どれも相当な抵抗がありましたが、
その中でもマシだと感じる「彼がメソメソと愚痴をこぼすのを許す」を選びました。

Aさんが実際に「許そう」と決めてみると、
嫌な気持ちが湯水のように湧き出ます。

「彼がメソメソしていい」となったら、「自分は精一杯努力して頑張っているのに…」と怒りがわきます。
自分の大切な人(彼)が打ちのめされているのをみて、自分が役に立てていない悔しさを感じます。

そのうち、Aさんのお父さんが悲観的でメソメソしていたことを思い出しました。
子供ながらにお父さんを元気にしてあげたかった、喜ばせたかったのを思い出します。でもそれがうまくいかずがっかりしたこと、結局失敗した、という思いで悲しかったこと、などが、次から次に思い出されました。自分はなんの役にも立てないんじゃないか、という無価値感が刺激されます。

また次に「自分にはできない」という彼のメソメソした愚痴を聞くのを想像すると、今度は自分(Aさん)が普段できるだけ感じないようにしていた「力不足」の感覚や、「できない……」という無力感が刺激され、何とも言えない不安や怖れが浮かび上がってきます……。

このように湧いてくるものを一つひとつ認めて感じていきます。
(相応の時間がかかることもあります)

感じ続けていくとある程度気持ちが軽くなります。軽くなって扱えそうな感覚が生まれたら、許容できそうなこと、見方や捉え方を変えられそうなものを選んで、改善策とします。

このときのAさんは、子供の頃お父さんを元気にできなかった自分を、無意識にずっと責め続けていたことに気づきました。そして、「お父さんを元気にするのは無理だよね。子供の仕事ではないよね、責任感じることではないよね」と現在の大人になった自分の目線で捉えなおすことができました。そしてホッとして気楽になりました。これが改善策となります。

それからも何度か「自分は役に立てなかった…」と思い出すことはありましたが、その都度いまのAさんがイメージの子供のAさんに「それはあなたのせいじゃないよ」と伝えることを繰り返し、無意識の自責の念は解放されていきました。

これがクリアになってくると、最初に選んだ「彼がメソメソと愚痴をこぼすのを許す」も以前より楽にできることに気づきます。彼が目の前で愚痴をこぼしても「別に嬉しくはないけど、まぁいっか。」くらいになってきました。

「彼がメソメソと愚痴をこぼすのを許す」と決めて、ある程度の期間、湧き上がるものを感じることを続けていると、だんだんとそれらも軽くなってくることに気づきます。

ここでは何らかの感覚の変化が得られるまで繰り返し継続することがポイントです。
一回一回は大きな変化がなくてもかまいません、坦々と繰り返します。
特に最初は溜め込んだものが噴出したり、自分の在り方が揺さぶられる感じがして状況がひどくなるように感じることもあるでしょう。
でもそこを通り抜けて感じることを続けていくうちに軽くなってくるので安心してください。
また辛くなりすぎるようなら専門家の助けを借りましょう。

一気に終わらせよう、と頑張りすぎないようにしましょう。
無理をすると新たなひずみを生んでかえって改善に時間がかかる、というのもよくあることです。

 

4.結果を手放し、自然と改善が生まれるのを観察する

さて、そもそもは「冷戦状態になった彼との関係をなんとかしたい」、というところから始まったこの話でした。

そして、Aさんはお父さんとの関係で、自責の念を抱えた子供の自分を癒やすことを通じて「彼がメソメソと愚痴をこぼすのを許す」という改善策を続ける、ことになりました。

一見てんでばらばらで、それが冷えきった関係の修復にどう関わるのか、Aさん自身もよくわかっていませんでした。でも何らかのわだかまりがあって、改善策を続けるうちにそれが変化していることだけはわかっていました。

この段階ではそれでOKです。

「人生で行き詰まる」ときは、これまで自分が生きていた世界感が自分にとって狭くなったときです。
だから世界観を拡げることが求められています。今の自分が理解できることをいくらやっても世界観を拡げることはできません。それは今の世界観を強化するだけです。だから「行き詰まり」を抜け出すときは改善策がどう効くのかわからなくてかまいません。

ですから、「今やってることがどう効いてどうなるのか?」と結果にこだわるのを止めて、しばらくは坦々と決めた改善策を続けましょう。
あるとき状況が変化しているのに気づくでしょう。

Aさんも「彼がメソメソと愚痴をこぼすのを許す」ことが、冷戦状態の改善にどう効くのかさっぱりわからないままでしたが、とにかく坦々と続けました。

そんなあるとき、彼が愚痴をこぼした際に以前のような怒りが湧いていないことに気づきます。
そしてまた別のタイミングで「そうだね。そう感じることもあるよね」と口をついて出たそうです。
彼とふたりでいるときの気分がだんだんと穏やかになっています。

しばらくすると、彼も愚痴を言う頻度が減ってきたそうです。
彼にしてみれば、愚痴を言ってもはねつけられなくなったのが無意識領域で感じられて安心したのでしょう。

Aさんは「わたしが愚痴をこぼされてもかまわなくなったら、愚痴をこぼされなくなるって、なんだか皮肉ですね」と楽しそうに笑っていました。

 

5.変化の確定

結果を期待せず坦々と続けていると、あるとき行き詰まりから抜け出していることに気づきます。
仕上げにこの変化を確定しましょう。戻らないように定着します。

この段階では、変化後の「心地よい感覚」を味わって楽しみます。

行き詰まりから抜けると、安心したり、力が湧いてきたり、目標や希望が現れたり、流れに乗る感覚、やれる感覚、人とのつながりなど、そのいずれかまたはいくつかを感じます。
このような感覚に注目し、掴んで味わいます。

Aさんは、一度は彼といると心を閉ざすようになってしまいましたが、いまは穏やかで安心を感じるようになりました。
彼の優しさや気遣いがいっそう嬉しく感じられるようになり、愛情を実感する機会が増えたそうです。

その居心地の良さを積極的に味わって楽しむことで、変化後の新しい関係を定着していきます。

 

まとめ

「行き詰まりから抜け出る」チェックリストはいかがでしたか?

サンプルの事例が多少複雑だったので、わかりにくい箇所があったかもしれません。
けれども、シンプルなものから複雑なものまで、たいていの行き詰まりはこれで道筋が立てられます。

最後にもう一度まとめておきましょう。

1.現状を受け入れる (行き詰まっていることを認める)
2.改善ポイントを見つける(相手側ではなく自分側に)
3.現実的な改善策を見つけて、継続的に実践する(継続は力なり)
4.結果を手放し、自然と改善が生まれるのを観察する
5.変化の確定

これまでに行き詰まったことがない、という人はいないでしょう。
その苦しさは私もよく知っています。

と同時に「行き詰まりの打開」は成長のチャンスでもあります。
そのこともよく知っています。

困ったときにはこのリストをご活用ください。
少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

QOL向上のコンサルティング「スマイルメーカー」主宰。感情カウンセラー協会理事。

東京在住。1966年大阪府池田市生まれ。大学卒業後、外資系コンサルティングファーム(現アクセンチュア)を経て、15年間グローバル企業向けのIT導入コンサルティングに従事。

「24時間戦えますか?」の時代に、うつや過労死を目にする環境に身を置く。幸福な暮らしのためにあるはずの仕事が個人の生活を圧迫することに疑問を感じ始める。
幼少期より気持ちを抑圧する環境で育ったので、自由への思いが人一倍強かったことも影響した。

そんな折、2歳下の妹が命をおとしたのを契機に、誰もが自分らしく幸福に生きるための支援をライフワークにしようと決意。

様々な縁を得て、現在は個人向けの潜在能力開花、職場や家庭の人間関係改善、自己成長に関するセッションや講座を提供し14年目。
自己啓発、心理学、エネルギー医学、身体の使い方など、人生のクォリティ向上に役立つことはなんでも試す性分。

好きなものは山(登山・スキー)、珈琲、自然派ワイン。合唱も始めました。
そのうちピアノと大東流合気柔術も再開の予定。

HP:https://smilemaker.tokyo/
BLOG:http://blog.shigeruokamura.jp

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