【自然治癒力を高める】病原体に負けない体つくりの基本3選

この記事でわかること
  • ヒトにはどんな病原体にも対応できる免疫システムがある。
  • 体ケアの基本中の基本は3つ
    ①保温する
    ②食を整える
    ③休養・睡眠を取る

新型コロナウイルスの流行が世界を震撼させました。
特効薬がないというのは人々を不安にさせます。
ワクチンもメリットデメリットがあります。

一体どうしたらいいのだろうと途方に暮れることもあるでしょう。
けれど、基本の基本に立ち返れば、私たちにはワクチンや薬より頼りになる免疫があります。
自分で自分の体を治そうとする自然治癒力があります。

薬剤師の目からもその人の生きる力に勝るものはないと確信しています。

日々の生活を見直し、自分の自然治癒力を損なわないようにするのが、実は最も効果的なのです。

この記事の目次

近年のウイルスによる新型感染症の事例

1983年 後天性免疫不全症候群(AIDS)
2003年 重症急性呼吸器症候群(SARS)
2009年 新型インフルエンザ
2014年 中東呼吸器症候群(MERS)
2019年 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

覚えておられますか?
AIDSは世界に衝撃を与えました。
AIDSウイルスはヒトの免疫システムを破壊するウイルスです。
私も人類が滅亡するんじゃないかと本気で思いました。

AIDSで亡くなる患者さんは確かに多く、今も憂慮される病気です。
けれど、感染しても発病しない患者さんがいます。

SARSも、新型インフルエンザも、感染しても発症する人としない人がいます。
亡くなってしまう方もいるし、回復する方もいます。

この違いは何なのでしょうか。

ウイルスは生きている細胞の中で増殖する

【ウイルスの特徴】ウイルスは、生きているヒトや動植物の細胞に潜り込んで増殖します。

細菌は、自分で増殖することができます。
ウイルスと細菌の違いはここにあります。

ノーベル医学生理学賞が示した可能性

1987年、利根川進がノーベル医学生理学賞を受賞しました。
授賞理由は、「多様な抗体を生成する遺伝的原理の発見」でした。

私たちの体の中の免疫に関与しているB細胞という細胞が「無数の異物に対応する無数の抗体を作ることができる」ことを証明しました。

専門的な言葉でわかりにくいですね。
簡単に説明すると「どんなウイルスや細菌が侵入してきても免疫を獲得できる」ことを意味しています。

もっと簡単にいうと

体には、どんな病原体に対しても防御できるシステムがあります。

すごいことだと思いませんか。
このシステムが体の中でうまくはたらけば、薬やワクチンに頼らず自分の力で病原体をやっつけられるのです。

SARS死亡率が低かった中医学

粟島らによると、2003年、中国・広州、深圳(しんせん)などでSARSの治療に当たった鄧鉄涛(とうてっとう)らは中医薬(日本でいうところの漢方)による治療を行い、世界的な統計においても死亡率が低いという成果を出しています。

治療には、薬(中医薬)を使っていますが、対症療法としてではなく、ヒトの抵抗力(免疫力や自然治癒力にあたるもの)を引き出すために使われています。
その他には、外環境を整えるために消毒、換気、ハーブや生薬などの燻蒸を行い、食事指導を行っています。

粟島行春『未病医学シリーズ 第四十集 中医と未来医学』(未病医学シリーズ刊行会、2005年)
角田睦子「鄧鉄涛教授の”SARS”治療」(「漢方の臨床」53巻第1号184頁以下、東亜医学協会、2006年)

病気が治るのは自然治癒力のおかげ

細菌やウイルスによる感染症は、薬が治してくれるのではなく、自分の持っている自然治癒力で治ります。

自然治癒力とは、自然に病気やケガを治す力で、免疫力、抵抗力、回復力ともいいます。
人間が本来もつ生命力そのものといえます。

大切なのは、薬は自然治癒力をサポートするものだということです。
薬は脇役、主役はあなた自身なのです。

症状は、細菌やウイルスと戦っているから出てきます。

熱や咳、炎症、痛みなどの症状は確かにつらく、一刻も早く楽になりたいですね。
けれど、本来は「悪」ではありません。

体が戦っているのだから可能な範囲内で耐えてみるのも大切です。
でも、つらい症状が続いて体力が奪われ、自然治癒力が負けてしまうと重症化することがあります。

病気の力と自然治癒力のバランスが重要なのです。

新型コロナウイルス肺炎では、高齢者、乳幼児、心臓病や糖尿病等の基礎疾患を患っている人は重症化したり、急変する可能性がありました。
肺疾患の既往がある人も要注意でした。

このような方は適切な医療が必要です。

「予防」から「自然治癒力」へシフト

今、西洋医学の世界で取られている方法は予防が中心になっています。
病原体を防ぎ、排除し、患者を隔離することに力が注がれています。

もちろん予防は有効な手段ですが、病原体すべてを防ぐことは不可能です。

すべてを防ぐことができないと不安になってしまいますか?
安心してください。

健康な人の場合は細菌やウイルスの数が少なかったり、抵抗力が強ければ病気になりにくということです。

じゃあどうすればいいかというと

体の状態を整え、病原体に抵抗できる体にしておく

自然治癒力を高める基本3選

自然治癒力を高めるために真っ先に浮かぶのは、代謝をあげ体温をあげることです。
が、これは一朝一夕でできることではありません。
日々の地道なケアの結果得られるものです。

漢方薬剤師である私の体験から日常生活でここだけは押さえておきたい3つをご紹介します。

保温する

体温をあげるというより、今より冷えないように保温に気をつけましょう。

ヒトの部位で「首」とつく関節を冷やさないことが大切です。
足首、手首、首。

関節は漢方の考えでいうと、湿(しつ)のたまりやすいところです。
湿とは、濡れタオルを絞った状態だと思ってください。
湿気がタオルに残っています。
それを外干しするとどうなりますか?
タオルは風に当たるとみるみる冷えていきます。

外出して風に当たると、この状態が「首」で起こり、体が冷えてしまいます。

保温するために、外出時にくるぶしを覆う靴下(ブーツ)、手首には手袋、首にはマフラーをするのは理にかなっています。
ただ、注意したいのは、汗をかき過ぎないように使うことです。

一枚多めに羽織るとしても、脱ぎ着をこまめにして保温を心がけましょう。
暑すぎず寒すぎず、心地よく感じる状態を保つのがコツです。

面倒に感じるかもしれませんが、こまめな調整が体を健やかに保ってくれます。

もし、冷えて、ゾクッとしたらすぐに背中の肩甲骨と肩甲骨の間にカイロを貼ります。
ここには風邪が体内に入り込んでくる入口とされる風門というツボがあります。

食を整える

前述の鄧鉄涛らの食指導での重要ポイントは、バランスを取った食事、ビタミン・ミネラルの補給、暴飲暴食をやめ、脂っこい物辛い物を控えることでした。

特に良質のたんぱく質として大豆製品をあげています。
大豆製品はヒトの免疫系に有利な食品です。

和食中心の献立で、肉、油物、甘い物を控え、野菜たっぷり、大豆たっぷりな食で腹八分目

白身魚は消化も良く、鍋にすると野菜も豆腐も入るのでお勧めです。

食べたくない時は、食べなくていいという体からのサインの時があります。

休養・睡眠を取る

仕事や勉強も大事だけど、休む時間をしっかり取りましょう。

体調を整えた方が仕事も勉強もはかどりますよ。
30分就寝時間を早めるだけで、目覚めの体感覚も、そして、回復力も違います。

眠っている間、ヒトの体は免疫力を維持し、増強し、回復しようとしているのです。
動物は、体が悪くなれば、じっとして、丸くなって保温をし、食べず、眠ります。
私たちも同じです。

柴田ともみ

眠っている間に、免疫に関係しているサイトカインが体の中に作られます。
サイトカインはウイルスを殺すために体温をあげます。
同時に眠気を強くして体を休ませようとします。

体の活動を低下させ、対ウイルスに向け戦力を総動員するのです。

まとめ:自然治癒力を高めるために

ヒトの持つ自然治癒力の可能性と自然治癒力を高める方法、基本中の基本3選を紹介しました。

ヒトの体にはどんな病原体にも対応できる免疫システムがあります。
それが効果的にはたらくために日常では次の3つを心がけましょう。

  • 保温する
  • 食を整える
  • 休養・睡眠を取る

ちょっとした自分ケアで自然治癒力を高めることができます。
日常に取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

心の傷専門家
感情カウンセリング
薬剤師

大学卒業後、製薬会社の学術部で社員教育と医療関係者への情報提供に携わり、その後、整形外科病院で薬剤師として勤務、退職。
現在は心の傷専門家として、ヒーリングやカウンセリングを提供しています。

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルド、過去生など心の傷に向き合うことで状況を克服。
今では笑顔を取り戻し、日々軽やかに過ごしている。

セッションでは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻していただけるように心掛けている。

アラフィフ女子が幸せに生きる方法 https://amenosoyokaze.com/

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