「他者の目が気になって苦しい」人の心に巣食う『偉そうな心』を解消する方法

一見、あまりこだわりがないように見える人の中でも、周囲の評判を必要以上に気にする人は、数多く存在していることでしょう。

他の人たちが自分をどのように見ているのか。陰でどのように発言しているかなど、人の目が気になり、噂されている話題に対しても非常に気になるというような性質を持っている人は、もしかしたら日本人の血の中に絡みついている気質と言えるかもしれません。

なかでも自分の身分や行動について、優れているとの思いが強い人ほど、周囲からの評判や噂話を気にする傾向が強いといわれています。

今回は、他者を気にする人の傾向について理解することで、今後どのようなことに意識を向けて人生を歩んでいくと良いのかについて考えたいと思います。

 

この記事の目次

1、他者が気になる人の傾向

他者が気になる人の傾向

私たちは、なぜ他人の目や噂話が気になるのでしょうか。ほとんどの場合、大勢の中で暮らしているため、人目を気にせずに生活を送ることは皆無に等しいと言えるかもしれません。しかし、気にしすぎても生活を送ることは難しく、このバランスが取れずに苦戦している人も多くいるでしょう。

視線に関係した「視線恐怖症」という症状があります。この症状は、他者からの視線に恐怖を感じ、大きな苦しみを抱え、生活にも支障をきたすものです。

実際には他者から見られていなかったとしても、「見られているのではないか」と過敏に感じてしまう症状があり、それだけではなく、「自分はおかしいから見られている」「悪口を言われている」「笑われている」といった自己否定的な評価も行なってしまう特徴があるようです。これは視線自体に恐怖を感じているのではなく、その根本に「他者からの評価に対する恐れ」があると言われています。

他には、「嫌われ恐怖症」という症状もあります。これは「人から嫌われたくない」「嫌いな人からも嫌われたくない」といった思いを強烈に持った時に出てくる症状です。重症なケースでは、被害妄想が生じて、自分を出せなくなってしまうことも起こるようです。多くの場合、人に馬鹿にされたり、怒鳴られたりした経験がトラウマとなり、こういった症状につながっていると言われています。

しかし原因が過去にあったとしても、過去に戻って修正することはできません。もちろん、両親を責めたりしたところで状況が良くなるわけでもないのです。

専門家に症状の相談へ出かけることも大切なことですが、自分でもできることを試してみるのもひとつの解決策となります。

次に紹介する内容は、他者の目が気になって苦しくなる人によく起きるネガティブな現象のうち、「偉そうにする心が生み出す6ケース」をについてまとめてみました。完全一致はしなくとも、それぞれ大なり小なり心当たりがあるのではないでしょうか。改善ポイントも載せていますので、セルフチェックに使ってみてください。

 

(ケース1)自分を実際よりよく見せようとする

実際の自分のレベルよりも高く見せてしまったことはありませんか?
こういった現象の根幹には「ありのままの自分が一番良い」ということを認識しておらず、今の自分を否定する意識が働いていると考えられます。

そうなれば、「今の自分を否定=その自分を育てた両親も否定」することになるので、ゆくゆくは、両親だけでなく周囲の人間関係まで否定することになってしまい、知らぬ間に自分を含めた環境全体を否定することに繋がってしまします。

できなければできなくてもいいのです。できない部分を認め、改善し、好転させることに未来があります。大切なことは、現在どのように取り組んでいるかということです。特別な弁明や弁解は不要で、身の丈でしっかりやっていくことを意識しておけるとよいでしょう。

 

(ケース2)知らなかったことを嘆き、自分を責める。

世の中には、私たちの知らないことは幾多数多存在しています。自分を取り巻く周囲のことから、遠く離れた地域で発生していることでさえも、刻々と知らないことは増え続けていくことについてはわかりきっている事実です。

それにもかかわらず、「知らぬは恥」の感覚から、ついつい知らなかったことを嘆き、自分を責めてしまうこともあるでしょう。知らないことは恥でもなんでもありません。大切なことは知っていることではなく学び続けることなのです。

多くの人の中には、悲しみや怒りなどの感情を強く表すだけで、カバーしようとする人は少なくなっているそうです。たとえるならば「自分は性格が悪い」と言いつつ、少しも改めることをしない類のことです。

そうではなく、着実に一歩ずつ、少しずつ歩みを進めていくことが肝心だということを意識しておきたいものです。

 

(ケース3)自分が誤解されることを怖れる

世の中には「誤解されるから話したくない」と話をしない選択を取る人がいます。せっかく良いことをしているのに、勧めたり、話したりせずに、むしろその話題から遠ざかろうとする。そのような人は、自分自身の心の中に巣食う消極的な意識に支配されていると考えられます。たとえ言葉が出てきたとしても、言い訳にしか聞こえない形で表面化することが多いでしょう。

誤解をされたとしても、行動を起こしながら善処を繰り返し、改めて歩みを進めてゆけば良いのです。その一歩を踏み出し続けることが、自らの心の中にある積極性を磨き、さらなる舞台へ進むためのヒントを与えてくれることでしょう。

 

(ケース4)他人が褒められることを嫉妬する

周囲の人物や物事を取り上げて、わざとその評価を貶めるような発言をしてみたり、陰口を叩いてみたりする人を見かけたことはありませんか。そういった人には、自分の心の中に妬みがあるからと考えられるようです。それらの妬みが形成される原因のひとつに、幼少期の家庭環境が影響していることが多いと言われています。

人の喜びを自分自身の喜びとして受け取れるように、日々を重ねていければいいのですが、そのような心境になれないこともあるでしょう。そんな時は、自分の良いところを紙に書き出し、書き終わったら外に出て、気持ちの良い空気に触れたり、歩いてみたり、自然に身を委ねてみてはいかがでしょうか。

数分のわずかな時間でも構いません。繰り返すうちに、徐々に心が豊かになり、他人の良いところまで自然と気がつくようになるでしょう。

 

(ケース5)他者が自分より立派になることを嫌がる

「日常的に立派なことを言いつつも、他者が成長しようとする姿に苛立ちを感じて、その人の芽を摘み取る」、「積極的な行動や発言をしている人の足を引っ張り、水を差すような発言や行動を繰り返す」。このようなことをしてしまう人は、心と身体がちぐはぐになった状態と考えられます。

これは苛立ちだけではなく、妬みや悔しさ、悲しさ等のさまざま感情が深く絡み合って引き起こされた現象のひとつです。そういった場合、この絡み合った感情のひとつひとつを紐解くことで、心の広さを形成することができます。多くのことに挑戦している人がさらに飛躍するように、またはやる気が出てくるように、励ますことができるでしょう。

 

(ケース6)優越感にひたる

優越感に浸る人は、自分は人よりも優秀であるといった思い込みを持っているようです。この感情が大きくなると、やがて差別や批判に繋がっていきます。歴史上で行われてきた様々な差別は、なんの根拠もない思い込みから発してきたものも多く、他者を見下すことで優越感を手に入れていた側面があったと考えられます。

最近ではネット環境が整ってきたことで、他者を批判したり、貶めたり、他者のサイトを炎上させたりといったことが誰でも簡単にできる時代になってきました。こうしたインターネット上での批判や、個別の口撃は優越感を得たいがための行動と言えるのではないでしょうか。

このような人々の背景には、育った環境やもともとの性格、感性が敏感であることから、自尊心を上手に育てることができずに大きくなった人も少なくありません。そのため、自分自身のありのままの価値を認める努力をすることで改善の糸口を見いだすことができるのではないでしょうか。

人はだれでも人と比べる必要はなく、自分にはもともと価値があるということを意識的に捉えることです。時間はかかるかもしれませんが、優越感に頼って偽りの幸福感を求めるよりも、本心から幸福感を感じられる道筋に入っていくことが大事です。

 

2、これからの人生を歩んでいくにあたって

これからの人生を歩んでいくにあたって

他人の目が気になる理由は様々とありますが、「偉そうな心」によって産み出されてしまったものを解消する道筋をこれからご紹介します。

先述した6ケースに心当たりがある人にとっては、改善の糸口を見つけることになるかもしれません。また、当てはまらないという人にとっては、今後の人生を歩んでいく上で、参考にすることができるかと思います。

 

1)自覚

これまで感じてきた自分の感覚を振り返ってみると、自分に対してちょっとした違和感や、不快感を感じたことはなかったでしょうか。また自分に悪気はなくても、確かに相手は自分に対して何か不快な想いをしていると感じたたことはないでしょうか。

これまで経験した違和感や不快感が出てきた場面を思い返すことで、色々と思うことはありますが、その中でも特に、相手に不快な想いを感じさせてしまったという場面に注目しましょう。それに対して、「こうしたことは自分だけでなく、誰にでも起こりうる現象」として捉えて、評価したりせずに、まずはそのまま受け取ることです。

そして起きたことを悔やむのではなく、その時の情景や、相手の表情を思い出しながら、自分の中に存在する「無意識の行動」に制御をかけてみてください。

思い返すことで浮かび上がった出来事をひとつひとつ受け止め、自覚することから始めてみるとよいでしょう。

 

2)反省と詫び

「自覚」ができたら、次によく“振り返って考える”ことです。これまでの自分の言葉や行動のあり方に問題が無かったか、反省することが大切になります。

反省することができたら次は「お詫び」です。自分の取ってしまった言動によって迷惑をかけた相手について、本当にすまなかったというお詫びの心を持つことができれば、この時点では十分です。

周囲の人々の伸びる芽を摘み取っていたことを反省すると同時に、自分を否定し、粗末に扱ってきたことについても深くお詫びするような気持ちをもてるとより良いでしょう。

 

3)決心から実行へ

「二度と“偉そうな思い”を持たない。ただただありのままの自分で、結果を予想することなく、ひたむきにやらせていただこう」と決心し、即時に行動する意識を高めていくことが大切になります。

どんな人の言うことでも素直に耳を傾ける意識を高めつつ、周囲の人の良いところを発見したら、学ばせていただこうという心持ちで、日々の生活を送ることが大切です。

 

最後に

最後に

私たちは、家族や職場、友人や知人、その他知らない多くの他人の中で、様々な繋がりを持ち、人生を豊かにしようと日常生活を充実させ、職場生活も活性化することに努めていることでしょう。しかし、人が多く集まれば集まるほど、私たちは自然に互いを比較し、優劣を判断し、優越感に浸ろうとする傾向がでてきます。

優越感について多少であれば問題ありませんが、度を越すと大きな悪影響となります。それは本人の意図とは関係なく、他者のやる気を阻害したり、足を引っ張ったりする形で現象化することでしょう。

こうした現象が出てきた時こそ、これまでの自分自身を振り返る材料として「自覚」「反省」「詫び」「決心」「実行」のプロセスで、考えを広げてみてはいかがでしょうか。思考を巡らせるほどに打開策は浮かび、さらなる飛躍に繋がるヒントも掴むことができることでしょう。

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この記事を書いた人

1980年11月、千葉県生まれ。

1999年4月、建築設備業(空調設備・給排水衛生設備・修理、保守管理)の会社に入社。在籍中は、現場監督・営業職・社内経理等を担当。専門技術者として経験を積む。

2010年4月、民間の社会教育団体に入所。前職の経験を活かしつつ、”心の働かせ方”について学ぶ。さらに、「心の働かせ方・考え方」に関するセミナーを全国約1,200会場、講師として経験する。同時に、企業向け情報誌の執筆や経営者を対象に心の経営指導にも従事した。

2017年6月、これまでの経験を活かしつつ、多くの方々と共に”心”の勉強をしていく為の場所として「NextStage(ネクストステージ)」を立ち上げる。現在の活動拠点は、神奈川県三浦市、千葉県南房総市、熊本県菊池郡に置いている。また拠点に関わらず、連絡を受ければ全国何処にでも行動する瞬発力をもって、活動展開をしている。

HP:https://nextstage-iida.amebaownd.com

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