一悟術

「苦しい」「難しい」と感じる思いから脱出する方法 

私たちは「苦しい」「難しい」と感じる出来事に陥ると、気持ちが暗くなって、しょげてしまうことが少なくありません。そして、なんだか人生まで暗くなってしまうような気持ちになってしまい、何をしても面白く無くなってしまうものです。

しかし、そのように感じた時が「環境や境遇が切り開かれていく」最高のチャンスなのです。これまでの自分自身から、一歩成長するための分岐点が「苦しい、難しい」と感じている“今”にあります。

今回の内容から「苦しい、難しい」と感じる“苦難”をどのように受け止め、ステップアップしていくのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

1苦難の原因

苦難の原因

これまでの歴史の中で、苦難は色々な受け止められ方をされてきました。そのなかには「宿命だから仕方がない」「神様に与えられた罰」「精神的鍛錬のための試練」という受け止め方もあるようです。

戦国時代の武将に山中鹿之助という人物がいます。鹿之助は、しばしば雲の間の三日月に「ねがわくば 我に七難八苦をあたえたまえ」と祈っていたそうです。それを見ていた人が、「何も苦難を与えてくれなどと祈らなくてもよいのに」というと、「七難八苦に出あって身をためさなければじぶんの力量のほどを知ることができない」と答えたといわれています。

七難とは容色の難、つまり七難かくしの意味ではなくて、仏教からきたものです。『法華経』の観世音菩薩普門品弟25によると、火難、水難、風難、刀杖難、鬼難、枷鎖難(手かせ足かせでしばられること)、怨賊難(盗賊などに苦しめられること)ですが、他に『仁王経』や『薬師経』などによって違った種類があげられています。

八苦とは、『涅槃経』12によりますと、生苦、労苦、病苦、死苦(これまでが四苦)、愛別離苦(親愛する者と離別する苦)、怨憎会苦〔おんぞうえく〕(憎悪する者と会合する苦)、求不得苦〔ぐふとくく〕(求め欲するものを得ることができない苦)、五盛陰苦〔ごじょうおんく〕(五陰とは心身のすべてをいい、心身がさかんに成長するにつれてうける苦)のことです。要するに七難八苦とはたくさんの苦難という意味となります。

大切なことは苦難を嫌い、仕方がないと諦めてしまうことや、試練として耐え忍ぶことも、苦難に対する正しい態度ではないと考えられていることです。

三日月に祈ったという戦国武将・山中鹿之助の勇気ある態度も素晴らしいことですが、別の観点から、より積極的な苦難の意義を見つめていくべきでしょう。

なぜならば、すべてが消極的な受け止め方になってしまうからです。

「攻撃は最大の防御」といわれるように、相手の攻撃に対して消極的になり、なすすべもなく相手の打つままに身をまかせていたらどうでしょう。立ち上がるチャンスを逃し、相手に打ち負かされるのが関の山です。

人はだれしも大なり小なり苦難やピンチに押し流されるか、逆にその苦難やピンチに果敢に挑戦し、そこから前途を力強く拓くかによって、人生は大きく違ってきます。

世に名をなし、功を遂げた人の伝記を読み進め、言葉を交わすと、彼らのそのすべてが苦難やピンチを飛躍のバネにしている人たちだったといっても過言ではありません。

自分にふりかかってきた苦難に対して、それが起こるだけの確かな原因があり、その原因を除きさえすれば苦難は解決されるばかりか、これまでにない幸福を引き寄せることができるのです。人生上の苦難は、行動する人の心意が原因となって起こっているのです。

 

2原因を捉える

原因を捉える

起きている苦難の原因は、大きく分けて二つあると考えられます。ひとつは自分のわがままや不自然な生活に原因があるもの。これは自分自身のことなので、心の持ち方や生活態度を改めることで解決できます。

そしてもうひとつは、自分ではどうにもならないことです。たとえば、大地震などの災害は自分が原因で起きたわけではありません。しかし拒否したところで何かが変わるわけではなく、受け止めるよりほかはありません。もしそうなった時は「考えたって仕方がない」と気持ちを切り替えて、さあ住み家をどうするかと、明るく手を打つことが最善の策となるでしょう。

色々と起こる苦難に対して、原因追求をすることは必要なことです。しかし限度を超えてしまうと、次のステップに進めなくなってしまいます。ここでは「自分でどうにかできる」または「自分ではどうすることもできない」との原因を見極める程度に留めておきましょう。

次に必要なことは「これからどういきるか」という前向きな考え方に意識を切り替えていくことが重要になります。

 

3これからどういきるか

これからどういきるか

原因を捉えたら、そのものをどのように受け止めるのかが今後の影響を左右していきます。端的に表せば、“明るい心で、喜んで迎える”ことにつきます。

私たちが出会う様々な出来事に、温かい心と潤いをそそぎこむことで、解決の糸口を見出し、伸びやかな発展の切り口に変化し、さらには引き締まってくるものです。

そして私たちは、人の喜びごとに出会うと、なんとも言えない良い気持ちになることがあります。例えるならば、暗い部屋にいてパッと電灯がついたようなもので、その明るさに包み込まれるから気持ちが和み、安心感を感じるような状態です。

日常生活や職場生活において喜びに満ちて働きかけることができれば、機械に油をさしたような状態になるので、物事は案外すんなりと運んでいくようになります。

さらに喜びに満ちた状態で人に接することができれば、自身が抱えていた無理難題と感じていた事柄でもタイミングよく解決の糸口を引き寄せやすくなるのです。

ひとつひとつの現象を呼び込む心持ちは“喜び”がキーとなります。具体的には「ハイ」と発して、全てを受けきる姿勢を保つことです。

どんな困難がやってきても“明るい心で、喜んで迎える”ことをすべての根底において行動してみてはいかがでしょうか。こうした心持ちがすべてのものを産み、育て、伸ばし、進め、成就へと導いてくれる環境へと繋がっていくのです。

 

4具体的な行動方法とは

具体的な行動方法とは

苦難について“明るい心で、喜んで迎える”と提案しましたが、なかなかこのような気持ちにはなれないのが実状でしょう。

“明るい心で、喜んで迎える”心持ちになるための、5つの考え方を提案して締めくくりとします。

 

その災いをそのまま見つめてください。

現在起きている現象を真正面から見つめてみてください。苦しいようであれば、少し距離をとって、遠くからながめる方法でも有効的です。さらにその物事の大きさを計測したり、分析したりして、できる限り調べ尽くすことが重要です。

次にその現象が「自分でどうにかできるもの」なのか、はたまた「自分ではどうすることもできないもの」なのかを考えられるとより良いです。

 

②自分の心の状態を確認してください。

私たちは、困難な出来事に直面すると一時的に判断能力が欠如することがあります。そのため、①「その災いをそのまま見つめてください」の災いを見つめたら、次は自分自身の状態を確認してください。自分自身の状態を見直し、判断力をしっかりと保つことが困難解決のヒントを引き寄せる鍵となります。

 

③何らかの形で行動しましょう。

直面していた災いを分析することで、複雑に絡まりあった現象がいつしか、ゆるみ、ほどけ、単純なものの集合体であったことがわかってくるでしょう。さらに自分自身を見つめなおすことで「ハッ」と我にかえることに繋がります。

先述の①と②を実行することで、今自分がすべきことが次第に見えてきます。その時に見えてきたものを“喜んで迎えて”行動に移してください。そのひとつの行動が解決するためのヒントや閃きを与えてくれるのです。

ただこの時点で、辛さゆえに、災いの地点に留めようとする力も同時に働き始めます。それは「こんなことして何になるのか」といった考え方で表れます。もしそうなった場合は、考え込まないよう努め、まずは動き出すことに意識を向けていきましょう。

 

④助けを求めることを恐れないでください。

何らかの形で動き出した時から私たちの思考は動き出します。行動しているうちに様々な発想や閃きがやってくるものです。そうした時に背中を押してくれるよき相談者が必要になってきます。

その相談者は、夫であり、妻でもあります。また子供のふとした発言がこれまでになかったひらめきを与えてくれることもあるようです。私たちの周りには家族があり、友人や知人、先輩がいることを忘れてはなりません。

「あの人に相談しても、意味がないかもしれない」などと考えずに、相談してみてはいかがでしょうか。自らがこれまで経験してこなかったことを経験している人に出会えるチャンスが来たと意識を変えて、出かけてみましょう。

多くの情報は、私たちの視野を広げてくれるだけではありません。抱えている困難を打開するきっかけを与えてくれる救世主となり、さらなる発展をもたらしてくれる人財でもあるのです。助けを求めて、相談をすることに動き出しましょう。

 

⑤直面している災いを引き止めてはいけません。

動けない理由や、やらない理由などの“言い訳”を考えている時こそ、その現象から抜け出すきっかけがきたと考えてみましょう。

私たちはその災いから「抜け出したい」「打開したい」と考えを巡らせたり、行動したりしますが、知らず知らずのうちに変化を遠ざけてしまう潜在的な意識が働くようになっているようです。日常においても自己防衛本能なのか、変化を嫌う性質の強い人を見かけるのもこうした表れかもしれません。

何かを手放す時には、どうしても“引き戻そう”としたり“留まろう”とする目には見えない力が働くものです。言い訳が出て来た時こそ変革の分岐点として、その物事を乗り越えていくための行動をしてみてはいかがでしょうか。

 

5最後に

最後に

「苦しい」「難しい」と感じる思いから脱却する方法の糸口は“①その災いをそのまま見つめてください”ということから始まり、順番通りに②→③→④→⑤と進めていくことが効果的です。

さらに進めていくことで①から⑤の内容が、“☆”を描くように繋がっていくことに気がつかれると思います。順番どおりに結びつかなくてもネットワークのように繋がることで、新たな道筋を示してくれます。

諦めずに行動を起こし続けるためにも、意識を切り替えて行動してみてはいかがでしょうか。繰り返し行動を起こすことで困難を打開することはでき、さらなる飛躍への扉が開くことでしょう。

汪夕龍

1980年11月、千葉県生まれ。

1999年4月、建築設備業(空調設備・給排水衛生設備・修理、保守管理)の会社に入社。在籍中は、現場監督・営業職・社内経理等を担当。専門技術者として経験を積む。

2010年4月、民間の社会教育団体に入所。前職の経験を活かしつつ、”心の働かせ方”について学ぶ。さらに、「心の働かせ方・考え方」に関するセミナーを全国約1,200会場、講師として経験する。同時に、企業向け情報誌の執筆や経営者を対象に心の経営指導にも従事した。

2017年6月、これまでの経験を活かしつつ、多くの方々と共に”心”の勉強をしていく為の場所として「NextStage(ネクストステージ)」を立ち上げる。現在の活動拠点は、神奈川県三浦市、千葉県南房総市、熊本県菊池郡に置いている。また拠点に関わらず、連絡を受ければ全国何処にでも行動する瞬発力をもって、活動展開をしている。

HP:https://wangxilong.amebaownd.com/

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