免疫力を高める食べ方。基本中の基本は栄養の知識とバランス。

私たちには病気に負けないように免疫力が備わっています。
免疫力は、心と体がより良い状態にあることで一層発揮されます。
一般的には、栄養、休養、運動が健康の三要素といわれています。
もちろん免疫力を高めるためにもこの三要素があてはまります。

免疫力を高めるには、何をどう食べるかはとても重要です。
でも、食に関する情報は膨大でどこから手をつけてよいかわからず、途方にくれる方もいらっしゃることでしょう。

この記事もほんの触りにすぎませんが、基本中の基本である栄養の説明とそれを毎日の食からどう摂るかについてまとめてみました。
情報迷子の方はここからスタートしてみてください。

この記事の目次

薬剤師が食を勉強する理由

私は、薬科大学で薬のことを学んでいた頃は食についてわかっていませんでした。
栄養のことは高校までの家庭科で学ぶものの、日々親が出してくれる食事を何も考えずに食べていました。

子どもが生まれ、アトピーとわかった時にようやく食に意識が向きました。
ステロイドで治したくなかったのです。
そして、栄養について、食について勉強を始めました。

自分自身や家族の健康のために、これはと思うものを試行錯誤しながら実践してきて、食の大切さが骨身にしみました。
とはいえ、必要な場面では薬を使います。
使いますが、薬がより効果的にはたらき、副作用をより少なくするために免疫力を高めることは必要不可欠だという考えにいたっています。

基本の基本。栄養ってなあに?

人は生きている限り、食べないと生きていけません。
食べ物を食べて、体の中で消化して、必要な栄養素を吸収し、生命活動をします。
食によって生かされているといってもいいです。
したがって、何をどう食べるかは健康に直結しています。
免疫力も日々いただく食べ物から生み出されます。
基本の基本です。

では、栄養の基本を「赤・緑・黄色の食べ物」と「五大栄養素」からみていきましょう。

赤・緑・黄色の食べ物

小学校の頃、赤・緑・黄色の色で食べ物をグループ化して「食べ物のはたらき」を勉強しました。
あれです。
どんなだったか思い出してみましょう。

  • 赤の食べ物・・・魚・肉・卵・大豆・牛乳・乳製品・海藻
    筋肉や血液になる
    歯や骨になる
  • 緑の食べ物・・・緑黄色野菜・淡黄色野菜・きのこ・果物
    粘膜を丈夫にする
    体の調子を整える
  • 黄色の食べ物・・・米・パン・麺・いも類・砂糖・油脂
    熱や力のもとになる

五大栄養素ほか

つぎな食べ物の成分に注目すると3大栄養素や五大栄養素といった分け方になります。

三大栄養素・・・たんぱく質、炭水化物、脂質
五大栄養素・・・たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル

※五大栄養素に食物繊維や水、フィトケミカルを加えて六大あるいは七大栄養素ともいいます。

  • たんぱく質
    アミノ酸が鎖状に多数連結してできた高分子化合物。
    体内で必要量を合成できないため食事から摂る必要のあるアミノ酸(必須アミノ酸)と体内で合成できるアミノ酸(非必須アミノ酸)がある。
    体の構成要素。酵素やホルモン、免疫物質にもなる。
  • 糖質
    炭水化物のうち、体内で消化吸収されてエネルギー源になるのが糖質。
    炭水化物はブドウ糖や果糖などの単糖から構成されている。
  • 脂質
    栄養素の中で最も高いエネルギーとなる。
    ホルモン、細胞膜、核膜、皮下脂肪になる。
    脂肪酸からなり、脂肪酸の種類によって、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸)に分類される。
    多価不飽和脂肪酸には、n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)n-6系脂肪酸(オメガ6脂肪酸)がある。
    食事から摂る必要のある脂肪酸を必須脂肪酸という。
  • ビタミン
    生きていく上で必須な微量栄養素。
    体内で合成できない、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物をいう。
    三大栄養素の代謝を助ける
    水溶性と脂溶性に分けられる。
  • ミネラル
    ビタミンと同様、体内では合成できない必須微量栄養素。
    無機質あるいは灰分をいう。
    生理機能の調整
  • 食物繊維
    炭水化物のうち、体内で消化吸収されずエネルギー源にならないのが食物繊維。
    水溶性と不溶性がある。
    有害物質の排出、善玉腸内細菌の餌
  • フィトケミカル(ファイトケミカル)
    植物性由来のポリフェノール、カロテノイド、含硫化物など
    必須栄養素ではないが、摂取することで体内での抗酸化が期待できる。

今時の栄養、何が問題か?

今時の食事は、脂肪、糖質、動物性たんぱく質(特に肉)が多く、野菜や海藻から摂るビタミン・ミネラルが少ない傾向にあります。
確かに私たちの周りは、霜降り肉がもてはやされ、これでもかというくらいクリームたっぷりなスイーツがいっぱいです。
そのせいか、肉とスイーツのグルメ番組も多いですね。

白米、白砂糖、小麦粉など精製された食品も多く、それらは様々な栄養素が失われています。

生野菜(サラダ)は食べた感がありますが、実際は思ったほど量を食べられていないものです。
厚生労働省の推奨は「野菜は1日350g以上」ですが、350gってどうれくらいでしょうか?
だいたい、大人の両手に一杯。
想像がつかない方はこちらのイメージを見てみてください。
カゴメ監修「8月31日は野菜の日!一目瞭然、見て学ぶ野菜摂取量upのコツ」

これだけの野菜を毎日食べられていますか?

ミネラルの宝庫、海藻は食卓に上っていますか?
海藻は、お味噌汁のわかめだけという家庭も多いのではないでしょうか。

農薬、食品添加物、遺伝子組み換え作物、ゲノム編集食品、放射能などの問題もあります。

挙げるとキリがありませんが、今時の食事の問題で今回覚えて欲しい内容は次の通りです。

  1. カロリーオーバー
  2. 動物性たんぱく質が多く、植物性たんぱく質が少ない
  3. 動物性脂肪が多く、植物性油脂が少ない
  4. 糖質の摂り過ぎ
  5. 慢性的なビタミン・ミネラルの不足
  6. 精製されたものは栄養素が失われている

理想の栄養のバランスは?

では、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかはどうかんがえたらよいでしょうか。
指針になる方法を3つ紹介します。
取り入れやすいものを実践していきましょう。

どのバランスも、ポイントは、脂肪、糖質、動物性たんぱく質(特に肉)の摂り過ぎに注意し、野菜や海藻をしっかり摂ることです。
これだけでダイエットになったり、体調が良くなったりします。

昔からの一汁三菜

和食の基本に「一汁三菜」があります。
「ご飯」に、「汁物」と3つの「菜(おかず)」を組み合わせた献立です。
和食が健康食といわれるのはこのバランスだからです。

主食+汁物+主菜+副菜+副菜 で栄養をまんべんなく摂るスタイルです。

基本的には
ご飯・・・糖質(白米、玄米)
味噌汁・・・種々の栄養(大豆製品、海藻、野菜、きのこ)
主菜・・・動物性あるいは植物性たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)
副菜2品・・・ビタミン、ミネラル、食物繊維(緑黄色野菜、淡黄色野菜、豆、芋、海藻、きのこ)

ここに発酵食品を積極的に加えるとより良いですね。

日本の「食事のバランスガイド」

厚生労働省と農林水産省の共同により平成17年6月に「食事バランスガイドについて」が策定されました。
学校給食は、食事バランスガイドによる食事の見本となっています。
この図では牛乳・乳製品を推奨していますが、日本人の体質には牛乳・乳製品は向いていないという考え方もあります。
食事のバランスチェックのやり方に慣れるまで大変ですが、日々の管理には優れています。

アメリカの「ハーバード流 健康的な食事プレート」

健康的な食事プレートはハーバード公衆衛生大学院の栄養学専門家とハーバードヘルス出版の編集者たちによって作られたもので、お皿に盛られたもの、お弁当に詰められたものにかかわらず、健康的でバランスのとれた食事をするための手引です。
ハーバード公衆衛生大学院栄養学部、栄養ソースウェブサイト より

Copyright©2011 Harvard University
健康的な食事プレートについてのさらに詳しい情報は、ハーバード公衆衛生大学院栄養学部の栄養ソース(The Nutrition Source)とハーバードヘルス出版を参照してください。

このバランスは、円形プレートの中の面積が食品の量を示しています。
また、食を選ぶ時の注意点も書かれていてとても分かりやすいと思います。

まとめ

免疫力を高めるためにはまず栄養、休養、運動が挙げられます。
食にまつわる情報があふれている中、何をどう食べるかを選択するのはなかなか難しいところです。
そこで、3つのバランスの取り方を紹介しました。

①昔からの一汁一菜
②日本の「食事のバランスガイド」
③アメリカの「ハーバード流 健康的食事プレート」

取り組みやすいものを選んで始めてみませんか。
100%厳格にやるより、5~6割できたら上等!くらいの気軽さが続ける秘訣です。

食から免疫力を高めていきましょう。

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この記事を書いた人

心の傷専門家
感情カウンセリング
薬剤師

大学卒業後、製薬会社の学術部で社員教育と医療関係者への情報提供に携わり、その後、整形外科病院で薬剤師として勤務、退職。
現在は心の傷専門家として、ヒーリングやカウンセリングを提供しています。

昭和39年生まれ、一男二女の母。
第一子のアトピーをきっかけに桶谷式母乳育児、栄養学、食育を学ぶ。
第三子の妊娠・出産・育児期は夫婦関係や健康にトラブルが続き心身共につらい日々が続いたので、心と体の回復を目指して漢方と心理学を学んだ。

その学びを深めていく中で、バーストラウマやインナーチャイルド、過去生など心の傷に向き合うことで状況を克服。
今では笑顔を取り戻し、日々軽やかに過ごしている。

セッションでは、生きづらさを感じている方の心が軽くなり、日常の幸せに気づき、自分らしさを取り戻していただけるように心掛けている。

アラフィフ女子が幸せに生きる方法 https://amenosoyokaze.com/

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